[DECCA] 藤川真弓(vn) W.ヴェラー指揮ロイヤルpo. / モーツァルト:Vn協奏曲全集7曲, ロンド変ロ長調 K.269, アダージョ ホ長調 K.261, ロンド ハ長調 K.373
商品コード: 1295-005
商品詳細:藤川真弓(1946-)は北海道旭川市出身のヴァイオリン奏者。3歳から小学校教諭の父親にヴァイオリンの手ほどきを受ける。桐朋女子高校で斉藤秀雄、宗倫安らに師事。卒業後ベルギー王立音楽院に留学し、フランツ・ヴィジー、レオニード・コーガンに師事。その後ヘンリク・シェリングの薫陶も受けた。1966年日本音楽コンクール、バイオリン部門2位。1970年ベルギー国際ヴュータン・コンクール1位、チャイコフスキー国際コンクールで2位となり、翌年ユージン・オーマンディ指揮のフィラデルフィア管弦楽団でアメリカデビュー。以後欧米を中心に演奏活動を続ける傍ら、2年に1度のペースで帰国。NHK交響楽団・札幌交響楽団・京都市交響楽団などと共演。海外で通用する数少ない日本人ソリストの一人で、第7回・9回のチャイコフスキー・コンクールでは審査員も努めた。現在はロンドン在住。日本人ヴァイオリン奏者で初のDECCAへの録音と思われる。藤川は既に1970年にMELODIYAに第4回チャイコフスキーコンクール2位に入賞記念録音が出ている(デビューLP)。その後1971年EurodiscにMichael Rollとベートーヴェン/フランクVnソナタ集を出していて、海外レーベルでの録音は初めてではない。1972年にはベルクルント指揮で日本フィルとモーツァルト:協奏曲5番を埼玉県民会館で録音、1974年にはPHILIPSにワールト指揮ロッテルダムpo.とチャイコフスキー:Op.35,ブルッフ:1番Op.26の協奏曲録音もある。しかしDECCAレーベルに4枚組での協奏曲全集をヴァルター・ヴェラーの指揮、ロイヤルpo.という当時超一流のオケに録音できたことは藤川が世界的に認められたことを意味する。日本でもそこまで有名ではなかった藤川としては、この録音こそ大変な栄誉である。聴いてみると藤川の演奏は実に日本人らしさが出ている。奥ゆかしい弦の鳴らし方で、敢えて強いアタックを出さず、何所までも繊細に綺麗で滑らか。これは逆に欧米人奏者が真似できない美点である。このあたりの藤川の個性が評価されたのだろう。これまでの誰ともかぶらない超個性的名演奏で聴けるモーツァルト:Vn協奏曲全集である。これはこれで非常に好感が持てる演奏であり、欧米人奏者が羨やみ、嫉妬するスタイルに他ならない。1980年代以降アジア人のクラシック演奏家が激増し、コンクールでも上位に出るようになったが、果たしてどれだけの演奏家がビジネスのベースに乗ることができただろう。欧米人のコピーでは意味がない。そういう点で藤川の存在感は偉大であるといえる。これは聴いていて素直に気持ちの良い演奏であり、これまでにない新鮮味に溢れるモーツァルト!
藤川真弓の在庫一覧へ