[DECCA] R.ルプ(pf) L.フォスター指揮ロンドンso. / ベートーヴェン:Pf協奏曲3番Op.37, 創作主題による32の変奏曲 WoO.80
商品コード: 1296-033
商品詳細:ラドゥ・ルプの人気は高い。若手ながら、心の機微を表現できるピアニストとして評価されているからだろう。'70年頃の録音。ダイナミズムよりも温和で優美な柔らかい音色を持ち味にし、力よりデリカシーで勝負する。そのあたりが人気の秘密だろう。S.ゴールドベルクの相棒であり、彼のモーツァルトのVnソナタ全曲録音に抜擢されたくらいだから、彼の音楽性の高さは本物である。この世代にあって真の名手。小DECCAオリジナル! これまで長年にわたりラドゥ・ルプーとしてきたが本来の読み方はラドゥ・ルプであるため、今はルプで統一している。若手とばかり思っていた彼も2022年スイスのローザンヌで死去した。76歳だった。ラドゥ・ルプ(1945 - 2022)はルーマニア・ガラツ出身のピアニスト。1959年にブカレスト音楽院でフロリカ・ムジチェスクに入門、リパッティと同門になる。1960年より1968年までモスクワ音楽院に留学し、スタニスラフ・ネイガウスらに師事する。1966年第2回ヴァン・クライバーン国際コンクール、1967年エネスク国際コンクール、1969年リーズ国際ピアノ・コンクールにおいてそれぞれ優勝者となった。一種のロシアン・スクール生でもある。ルプの名を有名にしたのは、「ヴァン・クライバーン国際コンクールの副賞であるコンサート契約を全部断って帰国した」ことである。これがソ連当局の要請なのかどうかは不明であるが、この行動はかなり話題となった。米国側を怒らせたが、リーズ優勝後にDECCAと契約し、そのディスクの名声によってアメリカにデビューするという二重の手間をかけた活動でも知られる。1969年11月にロンドンでデビュー・リサイタルを開き、ロンドンを活動本居地とした。ロンドン・デビュー当時には地元紙により「千人に一人のリリシスト」と呼ばれ、以降、ルプを形容する表現として使用されている。DECCA以前に地元Electrecordに1枚録音がある(ベートーヴェン:皇帝協奏曲・1970年発売)。1971年からDECCA録音がリリースされ矢次早に数枚が1973年頃までに発売されれた。1975年リリースのS.ゴールドベクル(Vn)によるモーツァルト:Vnソナタ全集録音でピアノに抜擢されたことでも話題となった。このVnソナタ全集でルプを知った方も多いと思われる。1970年代では稀な繊細で抒情的な表現力を持ったピアニスト。日本にもファンは多く、2010年10月の来日公演は本人の急病による緊急帰国のために中止となった。それが最後となり、次のニュースは2020年の訃報であった。特にシューベルトのソロで定評があったが、協奏曲のソロもパワーとデリケートな音は人気だったことも頷ける納得の演奏。タイトルなど気にせず買って損のないピアニストの一人である。
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