[DECCA] J.カッチェン(pf) / ベートーヴェン:Pfソナタ32番Op.111, 6つのバガテルOp.126, ポロネーズOp.89
商品コード: 1296-026
商品詳細:大デッカの最終期のED3が初出。2回目の録音となるソナタ32番も良いが、B面にバガテルOp.126とポロネーズを収録。32番はキリリと締まった厳しい顔つきの演奏。ムダな音が無く、迷いのない打鍵だが、一音一音は丁寧。音離れもよく、ベタつかないだけでなく、無味乾燥ではない味わいもある。一方B面のバガテルは、とてもリラックスした気楽なムード。ベートーヴェンの動と静、嵐と小春日をうまく使い分けた、才能豊かなピアニストの大切な一枚。カッチェンのベートーヴェンのPfソナタ録音は、32番が2回録音と他に23番のモノラル録音の2曲のみで、他に変奏曲があるのみ。ガンバ/ロンドンso.と全5曲録音している。ジュリアス・カッチェン(1926 - 1969)は米国生まれなのでクリフォード・カーゾン( 1907- 1982)と比較はできないが、二人ともDECCAで活躍したピアニストである。ユネスコ国際フェスティバルにアメリカ合衆国代表として出席、フランス国立放送管弦楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」を共演した。1947年の春にヨーロッパ各地を廻り、ローマ、ヴェネツィア、ナポリ、パリ、ロンドン、ザルツブルクで演奏活動を行なった。その後はパリに永住することを決意する。1950年代前期にDECCAと契約を交わしたようだ。1969年春、肺癌の為わずか42歳で帰らぬ人となった。短い生涯の間にDECCAには多くの重要な録音を残したが最大の貢献はブラームスのピアノ独奏曲とピアノ協奏曲の全てを録音したことだろう。DECCAで最初の全曲録音である。以降ブラームスのピアノ独奏曲全集はカッチェンで決まり--という不文律が出来上がったように思う。クオリティの高さと存在感の大きさは牙城の如くこれからも変わることはないだろう。ベートーヴェンの独奏曲録音は非常に少なく貴重!
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