[COLUMBIA] A.クリュイタンス指揮パリ音楽院o. アンリエット・ピュイグ・ロジェ(org) / サン・サーンス:交響曲3番Op.78「オルガン付」
商品コード: 1297-024
商品詳細:サン=サーンスの最も有名な「オルガン付」と副題の付くこの3番。暗調に始まるハ短調だが、第2楽章で(緩徐楽章)、荘厳なパイプオルガンによって賛美歌のメロディーが現れ、弦に受け継がれて美しいハーモニーを展開する。フランス系交響曲の名曲として必ず登場する。3番も結局のところ、クリュイタンスの録音がLP初期の見本型となっていることは疑問の余地がない。地味だが、中間部の美しさは比類なく、パリ音楽院o.の音こそぴったりくる曲だろう。この名曲はSP期~録音があり沢山のLPが発売されているが、クリュイタンス/パリ音楽院o.ほど決定盤とされる録音も多くない。 巨大な編成による壮大な響きによる大スペクタクルが味わ得る交響曲であり、フィナーレの部分でオルガンと4手のピアノが付属し、オケと共にこれらが一斉に鳴り響く絵巻物のような作品。交響曲にオルガンを「独奏楽器」として登場させたのはサン・サーンスが最初となる。ここでオルガンを務めた女性奏者、アンリエット・ピュイグ=ロジェに関して。アンリエット・ピュイグ=ロジェ( 1910- 1992)はにフランス領コルシカ島のバスティアで生まれる。1919年にパリ音楽院に進み、1926年にイシドール・フィリップのピアノ科で1等賞(プルミエ・プリ)を得る。1927年にはジャン・ギャロンの和声科、モーリス・エマニュエルの音楽史科、アベル・エティルのピアノ伴奏科で1等賞、翌1928年にはノエル・ギャロンの対位法・フーガ科で1等賞、1930年にはマルセル・デュプレのオルガン科でオルガンと即興演奏の1等賞を獲得した。また、シャルル・トゥルヌミールに室内楽を師事する。1931年にはサン・クロティルド教会でシャルル・トゥルヌミールの補助オルガニストを務めた。1934年8月からパリ大シナゴーグ(~1952年)とルーヴル・オラトリオ修道会(~1979年)のオルガニストに指名される。1957年からパリ音楽院ピアノ伴奏科の教授に満場一致で決まり、ナディア・ブーランジェの後任として多くの弟子を指導する。1979年パリ音楽院教授を退職し、同院名誉教授となるが同年教え子の永冨正之らの尽力で来日し、東京藝術大学にてソルフェージュ講座に籍をおき、声楽、ピアノ、オルガン、室内楽の分野で1991年まで客員教授として教鞭を執った。ピュイグ=ロジェは1991年3月に芸大を退官し、次の専任先の国立音楽大学の宿舎に移り、年末まで住んだ。12月に宿舎で転んで捻挫し、その後の血液検査で白血病が発覚、治療のため年末にフランスへ帰国した。パリでは自宅アパルトマンで療養の静かな日々を過ごし、1992年11月24日に自宅で息を引き取った。葬儀は11月30日に音楽葬で行われた。2003年に記念企画として、ピュイグ=ロジェの遺稿やインタビュー、弟子たちの言葉をまとめ、作品や演奏会の記録、略年譜を付した『ある「完全な音楽家」の肖像:マダム・ピュイグ=ロジェが日本に遺したもの』が音楽之友社から出版され、長女ポリーヌ・ピュイグが序文を寄せている。
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