[COLUMBIA] A.クリュイタンス指揮フランス国立放送o. / ベルリオーズ:幻想交響曲Op.14
商品コード: 1297-020
商品詳細:1950年代、クリュイタンスはこの曲を2回録音。これは1955年初回モノラル録音。英国では既にカラヤンが録音しており、LP第2弾となるが、フランスではLP初(SP期にミュンシュあり)。初出は初期ペラジャケ入り。フランス人としても世界に誇る名曲を、クリュイタンスが最初にやるというのは頷ける。落ち着いた表情で静かに唄い上げ、どこかに影の部分をつくる。幻想交響曲を幻想的に仕上げられる稀有の指揮者だから出来る、深みと余韻のある理想的演奏。音も良い。この録音の3年後に何故か同じ曲をロンドンでフィルハーモニアo.とモノラル/ステレオで録音することになる。英国では旧録音との混乱を避けてSAXは発売されず、モノラルのみ33CX 1673でリリースされた。フランスではモノラル/ステレオが同時にFCX 858/SAXF 123でリリースされ、多くの方の興味はSAXF 123に集中した為、一時10万円を超える高額LPとなってしまった。そしてこの旧モノラル録音があったことさえ忘れられた。もし「幻想交響曲」という曲に興味があるのなら旧モノラル録音を今一度聴き直すことが必要である。クリュイタンスが表現したかった「幻想交響曲」はこちらであると言って間違いないだろう。もしステレオに興味があるならSAXF 123をとことん追い求めるしかない。フィルハーモニアo.との2回目録音は整いすぎて面白味に欠けることに気が付くならもうシニアのレコード愛好家といえる。クリュイタンスが3年違いで2度録音した真意は不明だが、録音専用のオケであるフィルハーモニアo.で完全に好きなようにできなかったのは明白である。また英国EMIのマーケティングにも従ったはずである。それが録音の条件なら従うしかない、しかしである、何方が本来のクリュイタンスのやりたい「幻想交響曲」かと考えればおのずと答は出るのである。
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