[DECCA] F.ライナー指揮ウィーンpo. / ブラームス:ハンガリー舞曲(8曲), ドヴォルザーク:スラヴ舞曲(5曲)
商品コード: 1299-063
商品詳細:1960年ウィーン・ゾフィエンザールにフリッツ・ライナーが現れ、こんな録音をしていた。当時既に米国シカゴso.のシェフとして活躍していたライナーだがおかしな録音が行われた。もともとハンガリー生まれのフリッツ・ライナー(1888- 1963)がドヴォルザーク:スラヴ舞曲を演奏しても変ではないが、何故全く関係の無いウィーンpo.とDECCA録音なのか? この年ライナーはウィーンpo.とヴェルディ:レクイエムを録音している。また1956年にはRCAだがウィーンpo.とリヒャルト・シュトラウス:死と変容/ティル・オイレンシュピーゲルの録音がある。プロデューサーはジョン・カルショウ(表記はChristopher Raeburn)が担当している。これは同じ頃カラヤンがウィーンpo.とブラームス1番などをRCAに録音したものと同じジョン・カルショウ/DECCAチームによる録音群で、内容によりDECCA発売をRCA発売に振リ分けた録音の一つである。この録音についてはDECCA発売となったという事である。この録音の面白さはなんといってもフリッツ・ライナーとウィーンpoの組み合わせであり、イメージとしてはどう考えてもミス・マッチなはずであるが実際は?という点に尽きる。案の定ライナーは非常に早いテンポと抑揚で指揮棒を振り、どこまでも冷徹でショーピース的な音を要求する。米国のスタイルをウィーンに持ち込んで試したという志向だろう。ジョン・カルショウの面白半分のアイディアだったかもしれない。流石ウィーンpoはライナーの要求をかなり実現している。こんな演奏はウィーンpo.の歴史でも初めてではないだろうか。ライナーの要求はサーカスの道化師じみており、生理的にウィーンpo.には受け付けられないような演奏である。しかし流石にウィーンpoはプロ組織である。出来うる範囲で道化師じみた演奏をやっているのである。そここそがこのLPの面白さであり、ライナー/ウィーンpo.共演の意味だろう。
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