[DECCA] C.シューリヒト指揮パリ音楽院o. / ワーグナー:管弦楽曲集
商品コード: 1299-060p
商品詳細:元々シューリヒトはセッション録音をあまりやりたがらなかったと伝えられているが、この時期DECCAと録音契約したのは、パリ音楽院o.との共演が契約にあったかららしい。パリ音楽院o.とはチャイコフスキー2曲(4/6番)とシューマン2曲(2/3番)であった。ワーグナーの2曲はパリ音楽院o.との最後のDECCA収録となった1954年6月録音である。他小品を含め全部で8曲が録音されたらしい。ワーグナーは1955年モノラルのみ発売された。パリ音楽院を振るシューリヒトのDECCAサウンドが飛び出してくる。彼のあのテンポでワーグナーは、少々速すぎではないかと思ったが、曲が曲なので、シューリヒトの方も、たっぷりと間をとって、急いではいない。何より、パリ音楽院のエネルギーに満ちたオケが、品があり、尚且つ力強い。やたらテンポの遅い、間延びした演奏より、キリリと締まったシューリヒトのワーグナーは聴き応えがあり、何をやっても様になる指揮者だ。これらパリ音楽院o.との共演がEMIパテ社への移籍後、歴史に残るベートーヴェン交響曲全集録音へと発展したのだろう。この録音がDECCAでの最後と録音となり、DECCAのシューリヒトは聴き納めである。ワーグナーを得意とした指揮者ではなかったが、独自のアプローチで演奏されるこれらには他の指揮者とは異なる世界感が投影され、やはりシューリヒトらしさを感じさせるのである。コンサートホールへ移籍後はそこそこワーグナーを録音している。パリ音楽院o.が出す音は艶やかで華があり、管の音色が明るく、ベルリンやウィーンとは明らかに異なる色彩がよく分かる。
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