[COLUMBIA] W.ギーゼキング(pf) H.ロスバウト指揮フィルハーモニアo. / モーツァルト:Pf協奏曲20番K.466, 25番K.503
商品コード: 1299-018
商品詳細:1950年代におけるモーツァルトPf協の傑作であり、ギーゼキングの代表作でもある1枚。英国盤は多いが仏プレスは少ない。カッサンドル工房のジャケは秀逸!ロスバウトのオケはメリハリが効いて、低音もドスが効いている。ギーゼキングのピアノは改めて聴くと、やはり理想的なピアノだと思う。ふんわりと柔らかく、そしてモーツァルトのようにすばしっこく、しかも奥に秘めた哀しみを滲ませている。歴史に残る本物の名演の一つ。仏プレスは英国盤より音が明快!ヴァルター・ギーゼキング(1895-1956)は生粋のフランス人ではない。ドイツ人の両親の下、フランスに生まれた。しかしドビュッシーもそうであったが独自の哲学のようなものがあり、ギーゼキング流とでも言える一筆書きのようなスタイルも持っている。ドビュッシーやラヴェルのようなフランス作品を得意とするも、やはりモーツァルトのピアノ・ソナタを世界で最初にLP全曲録音した功績で知られるピアニスト。ギーゼキングの演奏は分析的であるとされるが、どうやらある部分で正しく、ある部分ではそうではない。細かい音が連なり、重なって一つのフレーズのように演奏されることが多い。テンポはかなり独自に変化し、近代の若手とはフレーズから異なっている場合が多い。ギーゼキングが重視したのは分析的なメロディーではなく、曲が持つ独自の響きではなかったか?ギーゼキングは完璧主義とは全く逆の極端なパターンで、ひたすら楽譜を読み続け、演奏のイメージを頭の中で構築することが日課になっていたと何かの本で読んだことがある。ここにギーゼキングの本質があるだろう。すなわちギーゼキングが感じた「イメージ」こそが全てだったのでは?モーツァルトもギーゼキングは「イメージ」で演奏する。だから何所か霧の中にいるような曖昧な印象が付きまとうが、霧が晴れてしまったら「イメージ」は吹き飛んでしまう。この曖昧さが幻想的と結びつくのだが、ぼんやりとしたノスタルジックなセピア色の曖昧さこそがギーゼキングの「イメージ」であり、魅力であると思う。この2曲のモーツァルト:Pf協奏曲は代表作として各国COLUMBIAレーベルから発売され、CD直前まで再版され続けた名演である。
ギーゼキングの在庫一覧へ