[Discothèque Nationale de Belgique] S.ミラノヴァ(vn) R.デフォセス指揮ベルギー国立o. D.ミラノヴァ(pf)/ 1967年エリザベート王妃国際音楽コンクール(ヴァイオリン部門2位)
商品コード: 1300-061
商品詳細:1967年エリザベート王妃国際音楽コンクールのヴァイオリン部門で優勝したのがラトビアのフィリップ・ヒルシュホルン(ソ連代表)だったが、2位はブルガリア代表として参加したストイカ・ミラノヴァだった。ミラノヴァの為にDiscothèque Nationale de Belgiqueは記念録音を行い、Volume 2として30 102の番号で2曲入りLPとして出たものがこれである。この時、ギドン・クレーメルが第3位、ジャン・ジャック・カントロフが第6位であった。入賞記念のLPがコンクール公式レーベルにて発売されたのが当LP。曲はラヴェル:演奏会用狂詩曲「ツィガーヌ」(管弦楽版)とショスタコーヴィチ:Vn協奏曲第1番の2曲。女性ヴァイオリニストのストイカ・ミラノヴァ(1945-)はブルガリア・プロヴディフの生まれ。3歳よりヴァイオリン教師だった父トレンダフィル・ミラノフの指導を受け、1964年から1969年までソフィアのブルガリア国立音楽院で学んだ。その後モスクワの国立チャイコフスキー音楽院で学び、ダヴィッド・オイストラフに師事した。1961年ブルガリアのコンクールで優勝。 1967年のエリザベート王妃コンクールで第2位(当録音)。1970年のカール・フレッシュ・コンクールで優勝。ソリスト、リサイタリストとして国際的なキャリアをスタートさせた。プロコフィエフの2つのヴァイオリン協奏曲の録音は、フランスのシャルル・クロス音楽院からディスク大賞を受賞した。1968年、バース音楽祭に出演し、ユーディ・メニューインやピアニストのクリフォード・カーゾンと共演。1970年代にはソリストとして主要なオーケストラと共演。1971年、サー・コリン・デイヴィス指揮BBC交響楽団とメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を演奏し、プロムスにデビュー。1975年、1976年には読売日本交響楽団と日本ツアーを行い、1976年には香港芸術祭でソリストとしてハレと共演し、オーストラリア・ツアーで特に成功を収め、1978年には初めてアメリカとカナダに出演した。演奏活動は1970年代から1980年代初頭にかけて最盛期を迎え、2000年代に入っても頻繁に演奏活動を続け、2005年から2010年までベネズエラ国立音楽院で教鞭を執り、以後母校のブルガリア国立音楽院で後進の指導を続けている。日本でも人気の女性ヴァイオリニスト。Harmonia Mundiの人気LPとなる録音を残した。これは彼女の公式デビューLPとなるが勿論商用録音ではない。Discothèque Nationale de Belgiqueというコンクールの公式レーベルのみ発売なのでプレスは非常に少ない。ミラノヴァの演奏は当時22歳とは信じがたい堂に言ったもので「ツィガーヌ」の無伴奏のまま数分間演奏されるソロは圧巻で曲の途中からピアノが入ってくるまで正に独壇場のごとく空気を支配した。ピアノは姉妹で当時から活動していたドーラ・ミラノヴァ。年齢不詳の為、姉か妹かは不明。ドーラはCD期になってからソロ録音を発売している。ストイカ・ミラノヴァのスタイルはオーソドックスだが平凡ではない。全体にスラブ系特有の暗さが根底にあり、からりと晴れたラテン系とは正反対のタイプといえる。パンチはあまり出さず「根暗な品格」とも言える不思議な魅力を持つ。どこか懐かしさや、「つつましい情熱」が感じられ日本人には親しみが感じられる感性といえる。姉妹デュオの完成度は高い。メインとなるショスタコーヴィチの協奏曲は聴きなれない曲だが、ミラノヴァの演奏は不思議と引き込まれる物がある。曲の良さというよりミラノヴァの感性が全面に出た演奏のように感じる。
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