[MELODIYA] E.ノヴィツカヤ(pf) / フランク:前奏曲・コラールとフーガ ロ短調, ドビュッシー:ベルガマスク組曲(全4曲), ラヴェル:ソナチネ
商品コード: 1300-048dm
商品詳細:エカテリーナ・ノヴィツカヤ(1951-)はモスクワ出身の女性ピアニスト。師L.オボーリンをも脱帽させた女性で、L.オボーリンに8年間師事したイグムノフ一派。1968年弱冠16歳にして、ベルギーのエリザベート王妃国際音楽コンクールで優勝(2007年にアンナ・ヴィニツカヤが受賞するまでは、女性初、唯一のピアノ部門の第1位)を獲得した。同コンクールでは日本の内田光子も10位入賞している。コンクールの記念録音はベルギーMELODIYA:OC 2161(ムソルグスキー:展覧会の絵,ハイドン:Pfソナタ32番/プロコフィエフ:風刺(サルカズム)Op.17)が1959年に発売され、それがノヴィツカヤの公式デビュー録音である。これはノヴィツカヤが帰国して旧ソ連MELODIYAで初めての録音となった。プロコフィエフ作品集は終始陶酔的な技巧が炸裂する驚愕の演奏ばかりである。普段敬遠されがちなプロコフィエフ作品も彼女の手に掛かると、完璧な完成度で立体的に展開する奇跡の演奏である。エカテリーナ・ノヴィツカヤが出場した1968年開催では、1位を16歳の少女が満場一致で受賞したと伝えられている。天才少女として知られる彼女は、孤児院出身だったが幼少時に音楽の才能を見出され専門教育を受ける機会を得た。コンクール関連で知り合ったベルギー人の若手ピアニスト、フランソワ・エマニュエル・エルヴィと結婚し、5人の子供を持つ家庭を築いた。以来、ベルギーに住んでおり、ほとんど演奏をすることはなくなった。結婚後、国際的な演奏活動を停止して普通の主婦になったのではと憶測が流れたが突然、1985年3月27日にニューヨークで初めてのリサイタルを開き、モーツァルトのプログラム(幻想曲K.475とソナタ第14番K.457)とショパンのバラード4曲を演奏した。コンクールのあと帰国した彼女には7枚のLPリリースが許可された中の3枚目の録音が当録音である。ノヴィツカヤ初のフランス系作品集。ここでは本当にノヴィツカヤなのかと疑いたくなるほど大人しい演奏である。強い打鍵だけでやっているピアニストではないことがわかる録音。奇抜な展開はどこにもない。フランス人の演奏とは明らかに異なるが、しっかり抑制したピアノが淡々と音を刻む様が異様な緊張感を孕み、ドビュッシーやラヴェルでは微かにぎこちないリズム運びがやがて刃のように牙を隠しているような奇妙な感覚に襲われる。決して大きな音を出すわけでもないが、汗ばむ演奏!
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