商品コード:1301-051t[PHILIPS] H.シェリング(vn) A.ドラティ指揮ロンドンso. / メンデルスゾーン:Vn協奏曲Op.64, シューマン:Vn協奏曲
商品コード: 1301-051t
商品詳細:1960年代前期頃から米MERCURYは看板指揮者のドラティを使ってロンドンso.との録音が多くなる。そして協奏曲の共演の多くがヘンリク・シェリングという組み合わせが多かった。シェリングは仏ODEON時代からややスタイルが変わり、SP期に近かった1950年代特有の情感がかなりそぎ落とされ、誰の耳にも欠点のない完全なプロポーションを持った演奏に方向を変更してゆく。恐らく米国市場をにらんだMERCURY側の要望だったと思われる。ドラティもまたテンポは変えずにきっちりメロディーラインを描く楷書的なスタイルで名声を得た指揮者である。同じ方向性を持った二人の演奏は広い市場に受け入れられ瞬く間に人気のレコードとなっていった。同様の傾向は時代的なものであり、あのシゲティでさえ同じような事をMERCURYから求められたと思われる。かくしてMERCURY録音は個人の意匠を排除した、狂いのない完全なプロポーションを持つスタイルと高音質録音で1960年代を席巻してゆくことになる。オールドファンからすればこのような傾向は物足りなさを感じるかも知れないが、MERCURYのこの戦略に他のレーベルも追従していき、世界的な趨勢になってゆく。1970年代に入るとこの傾向は強化され、より味わいを欠いたものへと流れることになる。シェリングは4大協奏曲を全て複数回録音しているが、メンデルスゾーンとシューマンの2曲はこれが初回録音となった。メンデルスゾーンの2回目は1976年のハイティンクとのPHILIPS録音でこれより薄味の演奏となる点は否めない。またMERCURYのLiving Presence・シリーズは超高音質録音として有名で、欧州盤ならば高音質のまま聴きやすい音質のプレスとして重宝するLPとなる。もちろんPHILIPS各国から同様のプレスが出ており、お好みしだい。特に、弦の音に表れる。英PHILIPSのみHIFI-STEREOが存在するレア・ケース。オランダでは赤/銀3本線土手厚手レーベルが初リリースと思われる。やはり欧州盤は非常に音質が良い。MERCURY録音らしいダイナミクスはしっかり残るが弦の音はツヤがあり、ずっと聴いていられる。
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