[COLUMBIA] W.サヴァリッシュ指揮フィルハーモニアo. / チャイコフスキー:バレエ組曲「白鳥の湖」, バレエ組曲「くるみ割り人形」
商品コード: 1302-034p
商品詳細:英:SAX 2285、仏ではこの後SAXF 955でも出る。英国録音だがSAXF100番台の音は鮮烈で、SAXとは一味違う。見通しの良いクリスタルなサウンドを楽しめる。昨今、サヴァリッシュと言うだけで他のメジャー指揮者より一段低く見られる傾向があるが、これを聴く限り全くそのような事はない。チャイコフスキーを得手とするクルツあたりと比べてもまったく遜色ない。アンセルメ亡き後のスイス・ロマンドo.を背負った名指揮者が、フィルハーモニアo.を振った一枚。その彼も今は居ない。ちなみに英国盤とフランス盤はA面/B面が逆になっている。バレエ「くるみ割り人形」Op.71をチャイコフスキー自身が8曲選んで組曲にしたものが、演奏会用組曲「くるみ割り人形」Op.71aである。作曲家自身が編んだ組曲でも1970年以前のLPでは指揮者の判断で曲数を減らしたり、曲順を変えることは頻繁に行われた。LPの時間制限などの事情もあり、今ほど厳格ではなかったのいであある。しかしここではサヴァリッシュは音楽事典の通り、曲数・曲順を守って録音している。逆にB面のバレエ音楽「白鳥の湖」Op.20にも演奏会用組曲「白鳥の湖」Op.20a(全6曲)が存在するが、ここではサヴァリッシュは組曲版は使わずバレエ音楽版から5曲を抜粋して収録している。この辺のサヴァリッシュの意図は不明のため、収録曲を詳細に調べて判明した事実だけをここでは述べる。当社以外でこの事実を明記している業者はいないと思われる。EMIの幹部から録音に当たって1枚で収めて欲しいと言われた点は想像に固くない。前後したがLP時代には時間制約から多くの場合、指揮者の裁量に任された時代が続いたことは知るべきだろう。フィルハーモニアo.を振ったサヴァリッシュの録音は少なくないが、クレンペラーなどの陰に隠れて日陰の存在に近かったが2013年に亡くなって一躍脚光を浴びることになる。当時は地味な指揮者という印象しかなかったようだが、今となってはその地味な演奏が求めらているのだろうか?実際聴いてみると地味というより自然体で滋味である。このチャイコフスキーではかなり気張った元気の良い演奏であり、けっして単なる地味な指揮者ではない。特にフランス盤では耳が痛くなるほどのパワーを感じる場面も多い。
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