[DECCA] K.ミュンヒンガー指揮シュトゥットガルト室内o. / ヴァッセナール伯(伝ペルゴレージ):6つのコンチェルト・アルモニコ~協奏曲第4番, レスピーギ:リュートのための古風な舞曲とアリア~第3組曲
商品コード: 1303-030p
商品詳細:このLPの大きな特徴はA面の「コンチェルト・アルモニコ」である。長年に渡りペルゴレージやヘンデルなどの作品と言われてきたため、ここでもペルゴレージ作品として演奏されている。協奏曲といってもソロ楽器はなく、バロック期特有の合奏協奏曲である。実際の作曲家だったヴァッセナール伯ことウニコ・ヴィルヘルム・ファン・ヴァッセナールは、オランダ・デルデン生まれの貴族でアマチュア作曲家だった。1725年~1740年の間に「コンチェルト・アルモニコ」を作曲するが、貴族であったためか自らの名を冠して出版することを望まなかった。或いは、自らの作曲能力を疑っていたという説もある。結局、作品としては1740年にイタリア人ヴァイオリニストのリッチョッティによって出版され、当初は彼が作曲者とされた。その後、19世紀にポーランドの作曲家レッセルによって、ペルゴレージ作曲であるとされた。理由としてはヴェネツィア楽派の三楽章構成ではなく、ローマ楽派の四楽章構成であり、同時代の作曲家ロカテッリなどとの対比になるというもの。しかしながら1979年にヴァッセナールが生まれたトヴィッケル城から自筆譜が発見。その後、先述のロカテッリ研究の第一人者である音楽学者アルベルト・デュニングの調査により「コンチェルト・アルモニコ」が間違いなくファン・ヴァッセナールの作品であると認定された。「コンチェルト・アルモニコ」はヴァイオリン4部、ヴィオラ、チェロ、通奏低音による全6曲からなる協奏曲集である。ミュンヒンガーは当盤で第4番ヘ短調を取り上げている。バロック研究家でもあったミュンヒンガーは曲の良さを買って録音したと思われるが、1950年代の録音時には30年後に真の作曲家が明らかになるとは知る由もなかったためペルゴレージ作曲と記載されている。しかし、この時代に録音したお蔭で真作の良いサンプルになったのではあるまいか? B面にはレスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア」から第3組曲を入れている。この曲はレスピーギがサンタ・チェチーリア音楽院教授を務めていた頃、学校図書館で古い時代の楽譜を色々と研究した成果が基となって生まれた編曲作品である。古いリュート用の曲をモチーフにオーケストラまたは弦楽合奏のために編曲したものであり、実際にリュートは登場しない。中でも第3組曲が有名で演奏機会も多い。第3組曲は1931年に発表された作品で決して古い曲ではないが、元にしたモチーフが良いのかバロック作品のような印象を受ける。古いモノラル録音だがこの時代から熱心にバロック研究を掘り下げ、実際に録音として残したミュンヒンガーの貢献は大きな物がある。中でもペルゴレージには大きな関心を寄せていたようで、1962年にはモノラル/ステレオでペルゴレージ作曲と誤解したまま「コンチェルト・アルモニコ」の全曲録音を敢行。他にもランパルとペルゴレージ:フルート協奏曲集などを録音している。
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