[DECCA] C.クラウス指揮ウィーンpo. / R.シュトラウス:「町人貴族」組曲Op.60
商品コード: 1303-025p
商品詳細:リヒャルト・シュトラウスの「町人貴族」は劇付随音楽、及びその抜粋からなる組曲。ここでは組曲で演奏されている。モリエールの戯曲『町人貴族』をフーゴ・フォン・ホーフマンスタールがドイツ語で改作するにあたり、音楽はモリエールの原作のためにジャン=バティスト・リュリが作曲したものを用いず、シュトラウスが新たに作曲することとなった。また、劇中の晩餐会の場で、同じくホーフマンスタールの台本によるオペラ『ナクソス島のアリアドネ』が劇中劇として上演されることとなり、シュトラウスは1911年~1912年にかけて付随音楽とオペラの作曲を行った。こうして全2幕(第2幕に劇中劇を含む)の戯曲として完成されたホーフマンスタール版『町人貴族』(作品60-I)は、1912年にシュトゥットガルトの宮廷劇場で、マックス・ラインハルトの演出とシュトラウス自身の指揮によって初演されたが、不評に終わった。この失敗は劇中劇が原因だったとする説や、上演時間が長すぎたからだという説など、複数の意見がある。そこでホーフマンスタールとシュトラウスは、まず劇中劇に手を加えて新たなプロローグを付け、一つのオペラ作品として独立させた。これは『町人貴族』の劇中劇という設定を残した上で、上演前の舞台裏で繰り広げられるドタバタ(楽屋落ち)をプロローグで描き、その結果としてギリシャ悲劇とイタリア古典喜劇が同時進行するという滑稽なオペラが演じられる、というものである。この改訂版『ナクソス島のアリアドネ』(作品60-II)は1916年に初演されて成功を収め、今日に至るまで上演され続けている。リヒャルト・シュトラウスにより初演版と改訂版の付随音楽から抜粋して演奏会用の組曲(作品60b-IIIa)が編まれ、1920年1月31日にウィーンでシュトラウス自身の指揮によって初演された。1923年に楽譜が出版されて以降、オーケストラのレパートリーとして演奏され続けており、単にシュトラウスの『町人貴族』」と言った場合はこの組曲版を指すことが一般的である。組曲は全9曲からなりLP1枚に収まる長さである。さてリヒャルト・シュトラウスとクレメンス・クラウスは29歳の年齢差があり師と弟子のような関係だったらしい。2人ともヒトラーのお気に入りであったがクラウスはナチには入党していない。しかし戦後は、「ナチ協力者」のレッテルが貼られ正しい評価を得ていない。クラウスはウィーン・フィルのニューイヤー・コンサートの創始者であると同時にリヒャルト・シュトラウスの最大の理解者である。リヒャルト・シュトラウス作品はクレメンス・クラウスで聴くことが正攻法である。決してカラヤンではない。実際クラウスは師匠であったリヒャルト・シュトラウスのオペラの多くを初演し、また管弦楽曲も数多く録音に残している。カラヤン以降リヒャルト・シュトラウスを単に派手に演出する手法が定着してしまったが、哲学的なアプローチで演奏した録音はクラウスが最初で最後ではなかろうか?ここに本物のリヒャルト・シュトラウスの神髄が隠されている。
クラウスの在庫一覧へ