[La Voix De Son Maître] G.シフラ(pf) A.ヴァンデルノート指揮フィルハーモニアo. / リスト:死の舞踏, ハンガリー幻想曲
商品コード: 1304-032
商品詳細:シフラ(pf)A.ヴァンデルノートの英国録音は1958年頃から始まり、少なくとも1964年2月の当録音まで続いた。EMIも随分とシフラに肩入れしたように感じる。おそらく初期録音のグリーグ/リスト2番やチャイコフスキーが思いの他良い評判でレコードの売れ行きも好調だったのだと思われる。売れ行きは次の録音計画に直結するはずである。中古市場にシフラ(pf)のLPが比較的多い事も売れ行きの良さを物語っている。これはメジャー協奏曲に比べると、かなり冒険的な選曲といえるが、経営的に見てもリストのマイナー作品を録音出来るのは当時シフラ以外にはあり得ない情況であったことは確かだろう。果たして当時の英国でリストのピアノと管弦楽の作品がどのように見られていたか確かめようはないが、EMIが発売に踏み切ったことは需要があったと見るべきだろう。日本では厳しいかも知れない。「死の舞踏」の原題は「死の舞踏-『怒りの日』によるパラフレーズ」。その名の通りグレゴリオ聖歌の『怒りの日』の旋律を用いた一種のパラフレーズである。 弟子のハンス・フォン・ビューローに献呈。 アルフレート・ブレンデルはこの曲を、「ロ短調ソナタに比肩するのはこの曲ぐらいである」と高く評価した。サン=サーンスも同名の交響詩を作曲している。リストはローマ・カトリック教会のセクエンツィアであり最後の審判を想起させる《怒りの日 Dies irae》を主題として用い、ピアノが華麗に活躍するパラフレーズ(あるいは変奏曲)とした。この旋律を基にした楽曲としては、先にベルリオーズの『幻想交響曲』(リストによるピアノ独奏用編曲がある)などが完成しているが、リストが影響を受けたかどうかは不明である。グロテスクな反復に華麗な技巧的ソロが絡む目もくらむような大胆かつ壮麗な作品。「ハンガリー幻想曲」は正式な名称は『ハンガリー民謡旋律にもとづく幻想曲』。ピアノと管弦楽のための作品で演奏時間は約15分。原曲は1840年代にピアノ独奏曲として作曲され、ハンス・フォン・ビューローに献呈されたハンガリー狂詩曲第14番ヘ短調。同曲はリストとフランツ・ドップラーによる管弦楽編曲も行われている(管弦楽版ハンガリー狂詩曲第1番)。1852年頃に作曲され、原曲同様、ビューローに献呈された。オケが重苦しい序奏に始まり、これを独奏ピアノが装飾する。続いてピアノ、管弦楽の順で第1主題を堂々と奏する。経過部の後、「ジプシー風のアレグレット」と指定された部分に入る。技巧的なソロが掛け合いになり、独奏カデンツァを演奏し、烈火の如く火花を散らすように豪快に終わる。こちらも、煌めくような超絶技巧が用意された難曲である。2曲とも派手さの点では聴衆受けする曲といえる。この2曲こそシフラに打って付けの超絶技巧のオンパレードでシフラもここぞとばかりに披露している!
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