[ETERNA] F.コンヴィチュニー指揮ゲヴァントハウスo. / モーツァルト:アダージョとフーガK.546, ベートーヴェン:大フーガOp.133
商品コード: 1304-004n
商品詳細:1962年6月ライプツィヒでのモノラル録音。翌7月28日に演奏旅行先のベオグラードで急死したため最後の録音となった。演奏旅行先のベオグラードで「ミサ・ソレムニス」のリハーサル中に倒れたまま亡くなったという。巷ではアルコール中毒による死と囁かれている。あと10年長生きすれば大変な数の名演を残したはずである。或いはベートーヴェン交響曲全集の2回目があったかも知れない。この2曲は同日にモノラル録音された。ETERNAでは1959年頃からステレオ録音が始まったが、何故かこの2曲はモノラルで録られた。2曲の共通点は何れも弦楽四重奏曲のためのフーガ作品で、その弦楽合奏版での演奏となっている。何方もそれぞれの晩年の充実した作品で、オリジナルの弦楽四重奏曲版で聴いても素晴らしい内容である。特にモーツァルトのK.546は数少ない短調の名曲であり、弦楽合奏版の演奏が通例となっている。ゲヴァントハウス管弦楽団の渋い音色が効果的なテンポと表情で最高潮に生きている素晴らしい演奏である。ゆっくりした枯れた弱音が淡々と流れる様は正にオーケストラ音楽の境地といえる。コンヴィチュニーのような豪快な指揮者が他にいるはずもなく、コンヴィチュニーが亡くなった1962年でETERNAの一つの時代が終わったといえる。1955-1962(没年)まで務めたベルリン国立歌劇場音楽総監督のカペル・マイスターはオトマール・スウィトナー(在任・1964-1990)に引き継がれ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の楽長はヴァーツラフ・ノイマン(在任・1964-1968)に引き継がれた。1953-1955年までカペル・マイスターを務めたドレスデン・シュターツカペレはチェコ人のマルティン・トゥルノフスキー(在任・1966-1968)へと変わる。トゥルノフスキーは「プラハの春」事件で突然辞任し、ドレスデン・シュターツカペレは大騒動となる。ETERNAにおけるコンヴィチュニーの存在がどれほど大きなものであったか理解されるだろう。その最後の録音をじっくり噛み締めていただきた。噛めば噛むほど味わが増す演奏だが、いたって地味である。
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