[CBS] G.グールド(pf) / ブラームス:4つのバラードOp.10, 2つの狂詩曲Op.79
商品コード: 1305-064
商品詳細:グールドの死の年(1982年)の録音で、発売は翌年になる。欧州でのプレスはオランダのみ。あとは余談だが…1981年録音のゴルドベルクにはアメリカ・プレスがある(もちろんドイツとオランダのプレスもある)。この頃になると、CBSはアメリカでのプレスを止めて、すべてオランダでプレスする手筈だったが、何と言ってもグールドの録音なので、最初はアメリカで少量プレスされたらしい。欧州プレスにはジャケの型押しは無い。欧州での流通はこの時代このプレス1種と思われる。グールドのブラームス録音はこれもなにか象徴的な2つに挟まれた録音がある。1960年に間奏曲集を録音、亡くなる年である1982年の2/6月にバラード他を録音して、4か月後の10月に亡くなっている。バッハのあの曲を連想させる録音の仕方が感じられる。曲目こそ異なるが、音楽人生を挟んだようなブラームスの2枚のLP。1982年の「バラード他」はあの2度目の録音となった1981年の「ゴールドベルク変奏曲」に続く録音となった。バッハとの違いを感じる。1900年代からバッハをグールドで始めて聴いた方が年々増えて、それは当たり前となった。別段不思議ではない。しかしブラームスで初めて聴くという事には違和感を覚える。それはブラームスだけでなく、バッハ以外の全般に感じる。所謂グールド節がそこかしこにも盛り込まれているからである。グールド節がスタンダードであっては困るからである。バッハが問題ないのは例えジャズになってもバッハは変質しない音楽である。ブラームスのピアノ曲はそこまで強くない。LPとしては例え満足のいくものであっても、まずスタンダードを知ってから、バリエーションとして聴くべき演奏であり続けて欲しい。心地よくどこか哲学風のグールドの演奏はブラームスの本質を捉えているとはどうしても思えないからである。1982年のグールドの頭の中にあったものが音となって表出したものであろう。それが許された音楽家がグレン・グールドという特別な音楽家なのである。
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