[COLUMBIA] W.マウツジンスキ(pf) / ショパン・リサイタル/バラード2番, スケルツォ2番, 即興曲1番, 夜想曲(2曲), ワルツ(2曲), マズルカ(3曲)
商品コード: 1305-030b
商品詳細:ヴィトルト・マウツジンスキ(1914-1977)はワルシャワ生まれのピアニスト。ワルシャワ音楽院でフェルッチョ・ブゾーニ門下のユゼフ・トゥルチンスキに師事した。1936年には、元ポーランド共和国首相で19世紀ロマン派ピアニストの黄金時代を知るイグナツィ・パデレフスキの薫陶も受けた。1937年に開かれた第3回ショパン国際ピアノ・コンクールで第3位に入賞した実力派である。パリ音楽院に留学してイシドール・フィリップやマルグリット・ロン等の教えも受けている。また、パリではフランスのピアニストであったコレット・ガヴォー(Colette Gaveau)と結婚している。ショパン直系の指導とパリ音楽院の両方を身に付けた本物の実力派。1940年パリ・デビューし、同時期に仏COLUMBIAと契約。1945年、戦争が終わると拠点をスイスに移し、ロンドン・デビューを行うなど国際的な活躍をするようになり、1958年にはポーランドに20年振りに帰還している。1960年には、ワルシャワで開かれたショパン生誕150年祭で18回のコンサートを行って大評判となり、ワルシャワ・ショパン協会の名誉会員に選ばれ、1960年よりショパン・コンクール審査員となる。ショパン弾きとして知られる。ポーランド風の暗調で湿った空気感が個性。味わい深さは格別。年齢を重ねるほどに愛着の湧く1枚になるだろう。1961年に来日し、日比谷公会堂でソナタ2番他を演奏したらしい。ポーランド人の血が直接伝わってくるようなショパンである。過度な明るさはなく、暗調に近い音色だが奇妙なサロン風のスタイルを持ち、特に1960年頃からその傾向が強まるピアニスト。マウツジンスキのショパンを1枚だけ選ぶとすれば当盤をお薦めしたい。代表的な選曲とマウツジンスキの個性がよく出た演奏である。重苦しさは全くなく、かといって軽くもない良い所が出た1枚。曲により静かに語り、あるいは大胆に歌うショパン弾きの醍醐味が味わえる。1955年頃のモノラル録音。サロン風味も持つがなんといってもラテン系ではない田舎の鄙びた風情を感じさせる点が独特の魅力である。マウツジンスキの個性はそこにあると感じさせてくれるLPである。1960年代後期から全く姿を消してしまった。1977年に亡くなった事から早い時期に現役引退したものと思われる。COLUMBIAレーベルに少なからぬ録音を残した大物である。
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