[ETERNA] F.コンヴィチュニー指揮ゲヴァントハウスo. / ベートーヴェン:交響曲3番Op.55「英雄」
商品コード: 1307-038nb
商品詳細:1960年3月のコンヴィチュニーの「エロイカ」は2回録音。最初は有名な1954年ドレスデン。これはその後にゲヴァントハウスo.と1959~1961年全集録音したうちの一つ。初回ドレスデンばかりが話題に上るが、コンヴィチュニーらしさという点ではこの2回目録音は見逃せない。ドレスデンが渋く暗い息苦しくなる程に悲愴な印象を受けるのに対し、この1960年はドレスデンとの録音が嘘のようなまるで別人のように感じる演奏なのである。こちらは端正且つ重厚で、直線的に猪突猛進と言える突進現代感覚を持つ演奏。コンヴィチュニーの内面で非常に大きな変化があったのだろう。こちらが本来のコンヴィチュニーの姿だろう。しかしドレスデンとの旧録音があまりに特別であったため、こちらの評価は相対的に低くなる。しかし3番以外はこのスタイルで演奏しているわけで、ドレスデンとの3番は番外とすべきだろう。周りや後ろを振り返らず、前だけを見据えてマイペースで突き進む姿。これも素晴らしいコンヴィチュニーの姿である。こちらの演奏に勇気付けられる方は多いだろう。このプレスこそ、1961年、最初にリリースされたモノラル旧番号である。最も録音時の気分が的確に反映された音であることに疑いの余地はない。1965年頃ステレオが発売されるがこのLPを聴いて胸躍らない方はたとえ10万円のV字ステレオ盤を聴いても胸躍るはずがないのである。1964年頃820 412と番号が変わりベートーヴェンのイラストジャケとなる。この旧番号とは鮮度が違いが少なからずある。更に1967年頃から黒/銀レーベルでステレオが登場する。音はすっきりするがまとわりついていたオーラのような周辺部が削り取られて骨だけになる。まるでコケむした枯れ枝を洗ってきれいにし床の間に飾った後のように側物的になるのである。森の中でコケに包まれていた時に感じた存在感及び空気感は床の間に再現することはない。コンヴィチュニーのベートーヴェン交響曲に発売は非常に複雑でなかなか完全に説明することは困難だが、モノラルオリジナルが最も忠実に録音時の雰囲気を再現している。
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