商品コード:1316-050[COLUMBIA] W.ギーゼキング(pf) / メンデルスゾーン:無言歌集(17曲)
商品コード: 1316-050
商品詳細:全部で50曲以上となる無言歌、LP3枚は必要。その中からギーゼキングは17曲を選んで録音。それまでラヴェル、モーツァルト、ベートーヴェン(約7割)等の大作の全集録音を入れてきた事を考えると全集を予定したのではないかと思われる。しかし当時、無言歌集全集録音は存在せず、COLUMBIAは時期尚早と判断したのではと思われる。しかし彼はこの録音の1ヶ月後、1956年10月に急逝。この録音はまさに宝物だ。一曲一音を丹念に魂を込めて弾き込んでおり、下手な全集よりよほど良い。ロマン派は得意としなかった様だが、この慈愛に富んだ優しい音は彼の名を永遠とするだろう。ギーゼキングの白鳥の歌ともなったこの無言歌選集の存在は大きいものがある。ギーゼキングはその早すぎる晩年に、いよいよ満を持して英国COLUMBIAにベートーヴェンのピアノ・ソナタの全曲録音を進行していたが、残り3分の1弱というところで力尽きてしまった。全く残念と言うほかない。本当の最後の録音は「田園」ソナタの第3楽章で、そこで猛烈な腹痛を起こし、急性膵炎と診断され、手術は成功したものの、術後の経過が悪く、4日後の1956年10月26日に息を引き取ったらしい。結局ギーゼキングは自分より年長のバックハウス、ルービンシュタン、エトヴィン・フィッシャーよりも先に亡くなってしまった。同い年のケンプは、ギーゼキングよりも35年も長生きしたのでベートーヴェンピアノ・ソナタ全集を2回録音することができた。ギーゼキングは身長190cm、体重100㎏ほどの巨漢だったと伝えられ、フォルティッシモの爆発力だけでなくピアニッシモのコントロールの巧みさ、バックハウスとは対照的なペダルの細心のコントロールで、音の混濁が極めて少ないことが特徴と言われる。メンデルスゾーンの無言歌集は遺言となった1956年10月22日の録音の「田園」ソナタの第3楽章から約一か月前の1955年9月下旬にグリーグの抒情小曲集とともに録音された。仮にCOLUMBIAから全曲録音を依頼されてもその力が残っていたのか怪しい。それだけ晩年のギーゼキングは過密スケジュールで録音をこなし、そのほとんどが65年以上経過した現在でも名演として残されている。パワーを抑制して丁寧に引き込まれたこれら無言歌集を今一度、お手本的演奏として聴いてみていただきたい。
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