商品コード:1316-036n[MELODIYA] R.ケレル(pf)/ ベートーヴェン:Pf協奏曲5番「皇帝」
商品コード: 1316-036n
商品詳細:ルドルフ・ケレールは、1923年グルジア・トビリシの生まれ。フリエール門下生の最古参でイグムノフ一派である。LPで19枚もの数を出したピアニストは多くない。この人は戦争で大切な時期を無駄にされた悲運のピアニスト。実力はLPの数が物語る。ショパンの前奏曲集などが有名。協奏曲も多い。しかし人気の点で比例しないのは何故だろう。宣伝なのでは?人気とは所詮その程度なのだろう。グルジアで1、2位を争う大物に間違いはない。スケールと繊細さを兼ね備えた逸材。ケレールはMELODIYAに19点ものLP録音を残した重要なピアニストである。共産主義体制だったソ連時代は録音の数で当局からどのように扱われていたかがわかる。ケレールは当局にとって重鎮クラスのピアニストだった。協奏曲録音が多いこともその証明になる。1973年に一度来日している。大部屋で知られるフリエールの教室では最も年長で、フリエールは1912年生まれなので11歳しか年が離れていない。その次が1928年生まれのダヴィトヴィチだった。つまりケレールはフリエールの一番弟子であり側近だったといえる。モスクワで開かれる1961年のソヴィエト・ピアノ・コンクールで優勝してロシア国内では名声を博した。佐藤氏の著書によればモスクワ音楽院ではいかにベートーヴェンを攻略するかが最大のテーマだったらしい。ケレールもモスクワ音楽院教授となリ、その答えを録音という形で示したのだろう。教授らしく新人の若手のようなエキセントリックな解釈はしない。正当的に模範的な演奏ではある。しかしどこをとってもそこにはロシアピアニズムの精神が流れていて西側の大物ピアニストとは異なる腕前を披露している。ベートーヴェンを得意としたケレールのショパンは流石に余裕が感じられる。流れるような表現で若いピアニストとは明らかに異なる重鎮的なスタイル。端折ったような一筆書き的な演奏が板についている。ケレールはショパンなどのソロ録音が多いがこれはコンドラシンとの協奏曲。「皇帝」という大作に抜擢されたピアニストは多くなく、それだけで当局から寄せられた信頼の大きさが解かる。ギレリスなどと異なり、しなやかで柔らかく優しい「皇帝」という印象! ケレールの父親は、第2次大戦が始まった年の1939年「公共の敵」ということで逮捕され、中央アジア・タシケント近郊の村に強制移住させられたらしい。ルドルフ・ケレールもまた国家に翻弄された音楽家であった。ステレオも存在するが未入荷!
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