商品詳細：トスカニーニ指揮、NBCso.の'51年のコンサートライブ。歌手はステファノ、シエピ他、当時最高峰の面々が顔を揃える。70年以上前の録音にもかかわらず、ヴェルディの没後50年の命日ということもあって、物凄い熱気だ。ヴェルディのレクイエムは、そのドラマ性、オペラ的要素の色濃さゆえ、宗教曲として風当たりの強い評価をされることも多い。だが、結果として、この作品が巻き起こしたセンセーションが機となって、宗教曲は今日のように、教会の粋を超え、聴衆の心に訴えかけるものへと変わっていった。なにより「歌」という、音楽の原点であり、古くから人が惹きつけられてやまないものをオペラ作曲を通してよく捉えてきたヴェルディだからこそ、その多様な表現や技術が、死と祈りという大きな主題をもってこの作品に結実したことは、現代の地点から見れば何も不思議ではない。このように必然性をもって生まれた作品は、世界中でこの曲を30回以上手掛けたトスカニーニにとってもまた、その1回毎が特別な意義をもって響いていたことだろう。渾身の歌唱、演奏によって空間が一つとなり、今日聴くものにとっても時を超えて、全くの新しい霊感を得る体験となる。是非その瞬間に立ち会ってみてほしい。(KT)

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