商品詳細：ラフマニノフの全5巻からなる録音集の1巻。前奏曲や協奏曲など彼自身の作品の他、ショパン、スカルラッティからモーツァルト、ドビュッシー、ドホナーニ…幅広いピアノのレパートリーが並ぶ。亡命先の米国で本格的にピアニストとしてのキャリアをスタートさせたラフマニノフは、ショパンやリスト、ベートーヴェンなどの主要作品はもちろん、ラヴェルやプーランク、あるいはラモーらバロック作品など、当時まだ先端的存在であったり知られざる作品も積極的に取り上げた。生涯を通して行われた演奏会は実に1600回を超えたという。その演奏は、彼の作品から想像されるよりも案外すっきりとしている。もちろんフレーズの歌唱性や呼吸感はたっぷりとしていて緩急の変化も多彩なのだが、それらが作品の世界を伝える上で過不足のないものとして、全てが無理なく、何気なく、ごく自然に成立しており、そのバランスの見極めのセンスと品性の高さには、何度聴いてもはっとさせられるものがある。友人パステルナークの言う「まるでスープを飲むように平凡な雰囲気で」日々ピアノと対話する姿がよく感じ取れ、ラフマニノフがどんな人物で、音楽の中に何を見、聴き取っていたのか?この録音を聴くことで、多くの興味深い発見がなされるように思う。(KT)

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