商品詳細：ベルクが作曲した3幕のオペラ「ヴォツェック」は、ドイツの劇作家ゲオルク・ビューヒナーの未完の戯曲「ヴォイツェック」を原作にした作品。実際に起こった殺人事件をもとに、下級軍人ヴォイツェックが、浮気をした情婦のマリーを刺殺する情景を描く。ドイツ現代劇として1920年代には特に話題となっていた作品で、その上演を観ていたベルクはオペラ化を思い立ち自ら台本を書いた。本作の上演が本格化したのは'60年代になってからと1922年の完成からかなり時間が空いており、フランスでこの作品を初演したのは'63年、当時鋭い作品解釈で話題になっていた若きブーレーズだった。録音は'66年で、作品の前衛的側面に強く切り込んだアプローチはかつてない鮮烈さを放ち、同作の演奏史を大きく動かすものとなった。ストーリー自体は身近さも感じさせる陰鬱な話だが、その抑圧と狂気のコントラストが浮き彫りにするのは人間に対する根源的な問いである。ベリーやシュトラウスの表現力がまた作品全体を妖しく、スリリングに引き込んでており、オペラ好きならば避けて通れない名盤だ。(KT)

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