商品コード:1335-052pb[ASTRÉE] B.ヴェルレ(cemb) / フローベルガー:Cemb作品集
商品コード: 1335-052pb
商品詳細:ASTRÉE5枚目のリリースは、ヴェルレのフローベルガー。フローベルガーはドイツ人だが、18歳でウィーンに移り、その後宮廷オルガニストになる。そしてローマではフレスコヴァルディの門下に入るが、重要なのは34歳から3年暮らしたパリであり、ここでフランス風の作曲技法を身に着ける。このアルバムに収録された曲は、すべてこのパリ時代以降だ。録音は楽器の音をそれほど広げていない。自身のサインにフランス語風のFrobergueを使うほどの人。ヴェルレに打って付けだ。ブランディーヌ・ヴェルレ( 1942~2018)はフランスの女性チェンバロ奏者。フランソワ・クープラン(1668- 1733)の演奏を得意としてる。当初PHILIPSに籍が在ったがその後VALOISに移籍し、VALOISに1971年フランソワ・クープランの選集録音1枚と、叔父にあたるルイ・クープランの録音LP3枚分を録音している。その後VALOISは1975年グループに古楽研究部門レーベルとしてASTRÉEレーベルを立ち上げる。そこでヴェルレとクープランのクラウザン曲集LPで13枚(AS 21-33)というこれまでにない大規模のシリーズ録音を行った。勿論全曲録音ではない。ヴェルレが最初のクープラン録音を行ってから僅か5年後でこの大役である。ヴェルレはパリ音楽院において文学と美術をマルセル・ボーヴィスに、音楽史をノルベール・デュフルクに、クラヴサンをマルセル・ド・ラクールに師事。1963年にミュンヘン国際音楽コンクールにおいてクラヴサン演奏で優勝するとともに特別賞を授与された。1987年から1990年までボルドー国立音楽院にて教授を歴任した。日本では2000年を過ぎた頃から突然注目を集め、瞬く間に人気チェンバロ奏者となった。バッハ他多くのフランス作品の録音が多い。録音はVALOIS、PHILIPS、ASTRÉEの3レーベルに集中している。今聴いても音楽性の高い演奏には聴き惚れてしまう。学研肌の多いチェンバロ奏者にあって適度にルバートやテンポを操り、いつでも豊かなプレゼンスを表現していたヴェルレの音が懐かしい。学者的な演奏では単調で退屈な演奏となりやすい音楽だからである。ヴェルレはその録音の初期の1976年に突然フローベルガー:Cemb作品集を1枚だけリリースした。これまでフローベルガーといえばレオンハルトの一人舞台の感が強い。それだけ録音する演奏家が居なかった。レオンハルトの録音は1975年なので同じ年の録音である。17世紀後半のパリで作られたチェンバロ(アンリ・エムシュ製との説あり)でレオンハルトとは別の曲を全く異なるスタイルで演奏。ストレートで前のめりにすら感じたレオンハルトに対し、ヴェルレの悠然とした姿勢がアプローチの違いを感じる。ドイツの初期バロック音楽家であるフローベルガー(1616-1667)はクープランより52年早く生まれている。またドイツ・クラヴィーア組曲の創始者とされる。ヴェルレはそのあたりの違いを弾き分けつつも、ある意味、ラテン的なヴェルレ自身のスタイルでフローベルガーに対峙していて、ヴェルレらしさが全面に出た唯一無二の録音と言える。
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