商品コード:1335-039[HMV] R.ケンペ指揮/ ドヴォルザーク:交響曲9番「新世界より」
商品コード: 1335-039
商品詳細:ASD 380ステレオは高価なことで有名な"新世界"。あらゆる"新世界"の中でも抜きん出た名演の一つと信じる。モノラルだからと侮ると損をする。ステレオの再発盤を買うより、これを選ぶのが賢い選択だ。部屋の空気を揺さぶる程のダイナミックレンジを確保している。これだけの迫力を楽しめれば、充分すぎる。太い中音域に落ち着きを覚える。それにしてもケンペの表現の素晴らしさは、言葉にするのが難しい。何もかもが練り上げられていて完全だ。遅いテンポ!ステレオのASD 380は超高額LP! モノラル盤で十分楽しめる!ルドルフ・ケンペ( 1910- 1976)は、ドレスデン近郊ニーダーポイリッツ生まれ。ドレスデン音楽大学でオーボエを学び卒業。1929年、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のオーボエ奏者となる。当時、同楽団はブルーノ・ワルターが指揮者、シャルル・ミュンシュがコンサートマスター、フランツ・コンヴィチュニーが首席ヴィオラ奏者だった時代である。1949-1953年の間、ドレスデン国立歌劇場の音楽監督。ドレスデンsk.の第16代カペルマイスターである。1952-1954年、ショルティの後任としてバイエルン国立歌劇場の音楽監督も兼任という、ドイツでは超が付く大物指揮者。1961年トーマス・ビーチャムの遺志により、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者となる。しかし、楽団が「ロイヤル」の称号返上を余儀なくされ、運営困難となって1963年に退任。しかし、オーケストラは1966年に再び「ロイヤル」の称号を得てケンペを迎え入れた。ケンペは1975年(1970年から終身指揮者)にBBC交響楽団に招かれるまでこの地位にあった。ロイヤル・フィルハーモニーの第2代首席指揮者である。1965年からはチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団首席指揮者も兼任し1972年まで務めた。1967年、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者となり、ベートーヴェン交響曲全集を録音した。ベルリンpo.と特別な関係はなかったが1957年ベルリンpo.と録音した最初の「新世界より」は、当時47歳でベルリン・フィルにはまだフルトヴェングラーの影響が色濃く残っていた。クリュイタンスがベートーヴェン交響曲全集を録音する前である。同じ頃ケンペはベルリン・フィルと「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲録音を始めとして、比較的多くの録音を行っている。1955年カラヤンがフルトヴェングラーの没後、芸術監督に就任するも掌握出来ず、何人もの客演を迎え立て直しを図っていた時期であった。ケンペもその客演指揮者の一人だったわけである。既に英国で基盤を持っていたケンペは客演が精いっぱいだったのだろう。しかしこの「新世界より」は「音楽の質として極上でありながら、それ以上に大衆の関心を引くものがないこともまた認めねばならない。」とレコード芸術1979年12月号で評価された。冒頭のテーマはゆっくりでリズム感が冴えないのは確かで、いわゆるパッと聴きのインパクトは大きくない。しかしこれこそが大指揮者ケンペの戦略で「一度聴いて覚えられるような演奏はしない」という意図のもとに行われた演奏である点を意識する必要がある。カラヤンとは根本思想が異なる。だから聴くごとに少しずつ良さが理解される構造になっている。こういう設計が出来ることが大指揮者といわれる由縁だろう。
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