商品コード:1335-038[HMV] R.クーベリック指揮/ チャイコフスキー:交響曲4番
商品コード: 1335-038
商品詳細:シカゴso.を振るので、米Mercury録音の英国盤である。少なくとも、米国オリジナルよりは断然良いだろう。なかなかスピード感のある動きの豊かな演奏だ。かなり古い録音('50年代もかなり初め頃)と思われる。しかし、そんな古い頃、クーベリックがアメリカのオケを振っていたとは知らなかった。出身からして、かなりボヘミアンな人のようだ。'60年代後半からDGGに移り独自のスタイルを築いたが、この頃は個性というより、安定しているがダイナミクスのある指揮。意外な録音として面白い。ラファエル・クーベリック( 1914-1996)はチェコ出身で、ドイツを中心に国際的に活躍した指揮者。ハンガリー生まれではないが、母はハンガリーの伯爵の夫人であったマリアンナ・ツァーキー=セルである。プラハ音楽院を卒業後、1936年にチェコ・フィルの常任指揮者、1939年にブルノの国立歌劇場 (Národní divadlo Brno) の音楽監督に就任。そして1942年、ヴァーツラフ・ターリヒがナチス政権に反抗して解任された後を受け、チェコ・フィルの首席指揮者に就任。チェコの共産化に反対したクーベリックは、同年のエディンバラ音楽祭へ参加するために渡英、そのままイギリスへと亡命した。1950年から1953年までシカゴ交響楽団の音楽監督を務める。その後1955年から58年までコヴェント・ガーデン王立歌劇場の音楽監督を務める。その時期にHMVに数点の録音を残している。この録音はそれ以前のシカゴ時代のものである。その後は1954年からDECCAに移籍しブラームス全曲など、かなりの録音を残している。DECCAでは新世界交響曲等の名演を残し、1960年頃またEMI系に戻っている。1963年頃にDGGに移籍し1996年に亡くなった。クーベリックといえばドヴォルザーク等のスラヴ系作品で名を馳せたが、シカゴ時代はチャイコフスキーを数曲録音している。米国のマーケットで求められたのだろう。Mercury音源が幸いしてか1951年という年代の割りにはすこぶる音質が良い。Mercuryはモノラル期から特別録音が良いレーベルである。翌1952年4月には6番「悲愴」も録音している。1960年にはウィーンpo.とEMIに再録音しているが、確かに音響的に優れた演奏だったが、野性味は全くない。野性味とまでは言わないがこの初回録音には前のめりの情熱が感じられる。シカゴso.に振幅の大きな激しい音を出させ、パッションさえ感じるメラメラと燃える暗い炎を吐く覇気のある演奏ではないだろうか?意外な曲や意外な時代が良い、変わった指揮者と言っては失礼なクーベリック。特にDGG時代に量産したメジャー作品の評価はいまひとつのようだが、知られていないシカゴ交響楽団を振った若い時代は別人の顔があった。英国盤で聴くというところがミソとなる。
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