商品コード:1093-015[SUN RECORDS] O.ベルナール(cemb)/バッハ:2声インヴェンション, 3声のシンフォニア(インヴェンション)
商品コード: 1093-015
商品詳細:殆ど初入荷の珍しい録音。1970年代中期にチェンバロで演奏されている。バッハの鍵盤作品の中でもインヴェンションとシンフォニアは比較的ピアノではなくチェンバロまたはクラヴィコードで演奏されることが多いようだ。この曲は教育目的のクラヴィーア曲で長男のために編まれた「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集(1720年頃)の後半部に初稿がある。なお、同書の前半部には「平均律クラヴィーア曲集 第1巻」(1722年)の初稿が含まれる。インヴェンションは2声部の、シンフォニアは3声部の、対位法的な書法による様々な性格の小曲である。シンフォニアは「3声のインヴェンション」と呼ばれることもある。自筆浄書譜にはバッハ自身が書き込んだ表題が付いている。作曲も視野に入れた優れた教育作品として、現在も高く評価されており、現代のピアノ学習者の為の教材としても広く用いられている。練習曲の性格が強い為、鑑賞作品として演奏するにはそれなりの工夫が必要になる。大事なのが〝カンタービレ奏法〟。意味は〝歌うように演奏する〟ということ。バッハは音が途切れ途切れのチェンバロでもカンタービレ奏法はできることをこの作品に持ち込んだらしい。ピアノで演奏すればたやすいカンタービレ奏法だが、あのグレン・グルードもこの曲だけはスタンウェイのCD318をそのままではなく、自ら改造を行いクラヴィコード風の音が出るようにしてから録音を行ったらしい。グールド盤をお持ちの方はそれを意識して今一度聴いていただければ面白いだろう。さてこの録音はフランスのチェンバロ奏者オリヴィエ・ベルナールによるものだが、彼はピアニストでもある。あえてチェンバロを選んだのはバッハが楽譜に書き入れた「表題」(カンタービレの奏法で演奏せよ)を実践するためであったのは明らかだろう。グールドがCOLUMBIAとスタンウェイ社の反対を押し切ってまで改造ピアノで臨んだ録音を、ベルナールは原点に戻りバッハの指示通りチェンバロでやってしまった鍵盤奏者である。それまでの単純なチェンバロ録音と比較すれば理解されるはず。これは意外に画期的な録音であった。ジャケットからは想像がつかないが。
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