商品コード:1176-063[Ducretet Thomson] R.ブランケール(pf) / デュカス:Pfソナタ 変ホ短調
商品コード: 1176-063
商品詳細:ピアノ演奏の世界でフランスとロシアは東西の2大要所であり、全く別々に独自の進化を歩んだ。フランスの方がスクールとしては時代的に先んじていたのは確かだろう。早い時期から録音技術が高かった要因もあるが全世界に開かれたスクールだった影響は大きい。しかし1950年代もモノラル期においてはフランス人が有利だったことは確かである。R.ブランケールについての情報は全くない。1950年代にフランスで活動した女流ピアニストとしかわからない。ブランケールの録音は当社の入荷記録ではこれが唯一である。しかし当時のDucretet Thomsonに録音を残したという事実は大きいと言わざるを得ない。デュカスと何らかの所縁があるのだろう。今まで注目もしたことのないデュカスのピアノ・ソナタをここまで聴かせる録音は他にはあるまい。尚フランスではデュカスを一部でデュカと発音する向きもあるらしいが、ポール・デュカス本人がスと発音していたことがわかっている。フェラスと同様、人名においてフランス語の規則は適応されないことは多い。さて今では『魔法使いの弟子』くらいでしか知られていない作曲家デュカス。しかしこのソナタはデュカスの第一級の作品となったばかりでなく、フランスのピアノ音楽史に金字塔を打ち建てることになったとの見解がフランスにはあるようだ。少し似た雰囲気の曲にフランクがあるがそれよりはずっと聴きやすい曲である。フランスに、ピアノソナタの分野で主要な作品が生まれなかったのは、偉大なピアノソナタ群を遺したベートーヴェンに対する強い畏怖の念があったからだとされる。また、デュカスの母校であるパリ音楽院の教授、また国民音楽協会の会長として楽壇から多大な尊敬を集めていたフランクの存在があり、この曲の響きやオルガンの即興演奏に見られるような特徴的な経過句(分散和音によるものなど)にはフランクの影響が指摘される。しかしこれが純フランス作品として他に類例を見ない傑作と言われる。初演は1901年5月10日、サル・プレイエルにおいてエドゥアール・リスレのピアノによって行われた。ドビュッシーも賛辞を送っている。しかし一部のフランス人ピアニストしか録音しないのはなぜだろう。楽譜はサン=サーンスへと献呈された。味わい深いいい曲である。またこの録音がトップの座を明け渡すことはないだろう。
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