商品コード:1205-035n[SUPRAPHON] J.フリンカ(pf) / プロコフィエフ:Pfソナタ2番Op.16, Pfソナタ6番Op.82
商品コード: 1205-035n
商品詳細:ジリ・フリンカ(1944-1982)はチェコ、プラハ生まれのノルウェーの男性ピアニスト。プラハ音楽院でフランチシェク・ラウフとヨセフ・パレニチェクに師事した。1966年からコンサート活動を開始し、同年モスクワで開催されたチャイコフスキー国際コンクールで決勝に進出した。 1967年、セルゲイ・プロコフィエフのピアノソナタ2番と6番を録音し、1998年ノルウェーでも発売された。1970年、健康上の理由からソリストとしての活動を断念し、以降はピアノ教育者として活動している。1972年にノルウェーに移住し、1982年にノルウェーの市民権を取得。ベルゲンとオスロの音楽院で教鞭を執り、国際的なマスタークラスを定期的に開催している。 教え子には、レイフ・オヴェ・アンスネス、ホーヴァル・ギムセ、ゲイル・ボットネンがいる。2004年には国王功労賞、2007年にはチェコの文化を海外に紹介したことでチェコ・グラティアス・アジット・メリットを受賞。Supraphonの録音はこの1枚だけと思われる。Vest-Norsk PlateselskapにLPとCDがある。高度な技巧の持ち主であり、淀みなく曲は展開する。細かな音型の速いパッセージが表れては消えるPfソナタ2番に於いてピアノを打楽器と鍵盤楽器に瞬時に入れ替えるように弾き、それを短い間隔で何度も繰り返す必要のある難易度の高い曲である。激しさと穏やかさがさざ波のように繰り返されるこのソナタは瞬時の切り替えができないとプロコフィエフらしさは生まれない。コントロール不能になってしまうギリギリまで追い込むことでプロコフィエフの狂気が浮かんでくる訳である。ここが同じ高難易度のフランス作品と一線を画す所である。ロシアンスクールが目指したのはこの技であり、ロシアンスクールではないピアニストが好んでプロコフィエフを取り上げない理由だろう。フリンカの生まれたチェコは当時旧ソ連の衛星国であったことから、比較的ロシアンスクールに接する機会があったに違いない。1970年代のロシアンスクールに比較すれば、まだ甘さはあるが、やりすぎると音楽的側面の欠如となりかねない。フリンカはそのあたりのバランスが非常に上手いと言える。「穏やかさ」の中に時折表れる「激しさ」の効用をうまく使い「激しさ」だけで料理しない音楽性の高いプロコフィエフを奏でている。
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