商品コード:1209-060[PHILIPS] G.クレーメル(vn) E.クレーメル(pf) / ラヴェル:Vnソナタ イ短調(1897・遺作), サティ, ミヨー, ストラヴィンスキー, プロコフィエフ
商品コード: 1209-060
商品詳細:これは1980年に録音されたアルバムで、ピアノはこの当時の奥さんエレナが受け持っている。プロコフィフの無伴奏ソナタが珍しい録音で、クレーメルは思い切りのめり込んで弾いている。他の曲もクレーメル色が強い。長鉄ディスクになっているだけあって、ヴァイオリンが空間に見事に定位する。エレナはその後バレンボイム夫人となるが、現在はどうか判らない。バレンボイムは、デュプレがいた時からエレナを知っていたそうである。この人も恋多き女性だろうか・・・。となればこの人の登場となる。冒頭のラヴェルのVnソナタは通常演奏される晩年に近い1927年作のト長調ではなく、1897年に書かれた「遺作のヴァイオリンソナタ」で録音は非常に少ない。単一楽章で、古典的なソナタ形式により書かれている。エネスクのヴァイオリン、ラヴェル自身のピアノで初演されたらしいが正確な記録は残っていない。未完の作品として楽譜の出版はおろか再演された記録も残っておらず、楽譜は紛失し、作品の存在は永らく知られていなかったが、ラヴェルの生誕100周年にあたる1975年にニューヨークにおいて蘇演されサラベール社から楽譜が出版された。蘇生再演は1975年2月23日、ニューヨークのオーディトリウム・チャールズ・コルデンにて、ジェラルド・タラックのヴァイオリン、アービー・オレンシュタインのピアノによリ行われた。そのため1975年以前に録音はない。演奏時間は約16分で1927年作のト長調ソナタよりやや短い。ジュルダン=モランジュは、このソナタは「単純さ」ゆえに演奏が難しいと述べているが初めて聴いても素晴らしい内容のソナタであることを理解されるだろう。この知られざるラヴェルのもう一つのVnソナタを有名にしたのがこのクレーメルの録音であったことは確かだろう。この演奏だけで当LPは十分過ぎる価値を持つことになった。他にもサティの「右や左に見えるもの」、ミヨーの「春」などあまり録音されない珍しいVn曲が収録されているが、何といっても最後のプロコフィエフ:無伴奏VnソナタがこのLP価値を更に高めている。
クレーメルの在庫一覧へ