商品コード:1243-021[PHILIPS] イ・ムジチ M.T.ガラッティ(cemb) / モーツァルト:アダージョとフーガK.546, ディヴェルティメントK.137, 138, ジョルダーニ:Cemb協奏曲
商品コード: 1243-021
商品詳細:モーツァルト3曲がA面全部とB面の半分まで使用するので、モーツァルトのLPと言っても良い。残りのB面半分にジョルダーニのCemb協奏曲を収録。この曲がなかなか良い。第1曲目は短調だが、2曲はディヴェルティメント。全体を包み込む、イタリアの燦々と降り注ぐ太陽の匂いを感じる。イ・ムジチは日本盤があまりに量産された為か、今まで安っぽいイメージだったが、仏HiFistereoで改めて聴くと、適度な明るさ、軽快さ、人懐っこさがあり、リステンパルトと勝負できる一大勢力とわかる。アダージョとフーガK.546は、ハ短調で始まる深刻なメロディーがモーツァルトらしからぬ曲。弦楽四重奏としても演奏されるが、一部でチェロとコントラバスが分けて書かれているところがあり、弦楽合奏のための編曲だろうとも言われる。元は「2台のクラヴィーアのためのフーガ K.426」を編曲してアダージョを追加した作品らしい。2つのヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスという楽器指定の弦楽四重奏曲のための曲だが弦楽合奏で演奏されることが多い。同じ弦楽四重奏曲のためのディヴェルティメントK.136-8のような誰もが知る曲ではないが、この多分に不協和音も盛り込んだ短い曲ながら強烈なインパクトを持つ作品。この不気味とも言える曲をLPの先頭に持ってきた配置がなかなか功を奏して、次に来る、変ロ長調のK.137に上手く繋がっている印象。このLPでは何故か最も有名なK.136ではなくザルツブルク・シンフォニーの2番K.137を持ってきた所がミソだろう。ジョルダーニのCemb協を入れなければ長さ的にK.136は入ったはずだが、敢えてカップリングせず、B面の先頭にザルツブルク・シンフォニーの3番K.138を置いている。これらザルツブルク・シンフォニー2/3番に光を当てた意向のようである。その意向に最大限の効果を上げているのが先頭のアダージョとフーガK.546である。B面後半のトンマーゾ・ジョルダーニ(1730 - 1806)はイタリア・ナポリ生まれの作曲家。モーツァルトより26年後に生まれている。このCemb協奏曲が当LPの4曲中最も明るく一般的な意味でモーツァルト風味を感じるのである。この逆説的で皮肉めいた選曲の妙がこの当LPの魅力に他ならない。最後のジョルダーニを聴いて初めてこのLPの製作意図が理解されるのである。チェンバロ・ソロはマリア・テレサ・ガラッティという女性奏者。
イ・ムジチの在庫一覧へ