商品コード:1250-046[Disques A Charlin] カメラータ・ルテティアンシス / イタリア世俗音楽集/フレスコヴァルディ, ガブリエリ, オラーツィオ・ヴェッキ, ジョヴァンニ・レグレンツィ 他
商品コード: 1250-046
商品詳細:musique profane à la cour papale de Romeは「ローマ教皇宮廷での世俗音楽」というタイトル。パレストリーナ,ガブリエリ,ヴェッキ,フレスコバルディ,レグレンツィ,モンテヴェルディをカメラータ・ルテティアンシスという古楽団体が演奏。この団体についてに情報はないがDisques A Charlinに数点の録音がある。アンドレ・シャルランが自社レコードの初期に選んだ曲は大手レーベルトは全く異なる、宗教曲や古楽が非常に多い。他にはフランスの近現代作品である。Disques A Charlinは音質の点で日本では特に人気の高いレーベルではあるが、日本では古楽の人気が高いとは言えない。他にも1970年代からいくつもの古楽団体が創設され多くの録音を残したが日本ではムーブメントと呼べるほどの大きなブームはなかったような気がする。特に中古LP市場は保守的である。その中でDisques A Charlinが選ばれるとすれば、何よりワンポイント録音による音質の素晴らしさだろう。フランスの天才的エンジニア、アンドレ・シャルラン(1903-1983)。17歳頃から自身でアンプなども組み立て200以上の特許を取っている。1930年代に入ると映画の音響技師として活躍、映画のカラー映像方式に関しても特許を取っている。また、第二次世界大戦中には、灯火管制中の暗闇で走る事を余儀なくされていた自転車用として、ダイナモも新開発した。1949年に映画関係事業をオランダのPHILIPSへ売却したシャルランが始めたのが音楽録音業である。シャルランの持つ特許を可能な限り駆使してLPを生産しようという、デュクレテ・トムソンを始めとする幾つかのレーベルの思惑もあったらしい。録音技師としてデュクレテ・トムソン、DFやVSMなどで名を上げた後の1962年には「シャンゼリゼ録音センター」を設立、自らのレーベル Edition André Charlin も立ち上げた。残念ながらこの事業は1970年代中頃までしか続かず、税金の滞納でマスター・テープなどを差し押さえられてしまったと伝えられる。シャルランは1983年に80歳亡くなってしまったが、版権はそのまま死去の直前に取り戻すことができ、今ではCDに焼き直されて世界で販売されている。高音質で知られたEdition André CharlinのCDは1枚あたり\11000という価格が付いている。果たして再版の極致であるCDにそれだけの価値があるのか疑問だがLPの価値は永遠だろう。ワンポイント録音は言葉では知っていても実際にLPで聴けばどういうものかすぐに体感できる。空間に包まれるような自然な音が何の抵抗感もなくすんなりと耳に取り込まれる。この感覚は聴いた人にしかわからないだろう。初期のシャルラン本人の録音と後の後輩技師たちによる録音は全く同じではないがワンポイント技法は同じである。この録音は彼が設立した「シャンゼリゼ録音センター」にてアンドレ・シャルランによる録音であることがジャケット裏に記載されている。シャルランという人は教会音楽を大変好んでいたようで、大手レーベルならまず録音しないようなマイナーな宗教曲を盛んに録音していて、経営に大きな圧迫を及ぼしたのではないかと思われる。このLPはA面を通しで聴いてみたが、1980年代の古楽専門レーベルのような音質の軽薄さがない。クリアーだがしっかりとした立体感があり、これは仮にバックグラウンドで流してもはっとさせられる音質である。
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