[ETERNA] P.レーゼル(pf) / ブラームス:ヘンデル変奏曲Op.24, シューマン変奏曲Op.9
商品コード: 1259-058n
商品詳細:来日も多く今や日本で人気のペーター・レーゼルによるブラームス・ピアノ作品全集録音。今では死語となってしまったがライプツィヒにはその昔、若き日のバックハウスもいてこの世界地域で発展したスタイルをライプツィヒ楽派と呼んだことがあった。チェロ奏者の間ではドッツァウアーやロンベルク、後世のフリードリヒ・グリュッツマッハーらととも使用されるドレスデン楽派があるが、ピアノの世界には小さいながらライプツィヒ音楽院で学んだ音楽家を中心に派生したグループが存在し、そう呼ばれる。ペーター・レーゼル(1945-)はドレスデン生まれだが彼が「ブリュトナー」というライプツィヒで創業したピアノメーカーの物を使っていると読んだんだことがある。「ブリュトナー」こそライプツィヒ楽派の必須の道具である。業界に「ライプツィヒ楽派」なる確たる用語はないらしいが、個人的にペーター・レーゼルこそライプツィヒ楽派の後継者なのではとひそかに思っている次第。ベートーヴェンとシューベルトの全集録音はETERNAの重鎮のツェヒリンが担当した。レーゼルが唯一ETERNAでの全集録音を任されたのがブラームス・ピアノ作品全集(全7枚)であった。これはブラームス・エディションのピアノ部門としての1972-3年頃の録音である。1960年代のブラームス演奏に多い過度なロマンチシズムを排し、落ち着いてはいるが爽やかさが漂う洗練された美しい演奏である。全体の音は柔らかいのにクリアーな印象が出ている。音の輪郭がシャープで鮮明なのが特長だろう。べったりしたところがない。とにかく音が綺麗で清々しい印象を受ける。逆に苦悩するブラームは味わえない。20年前はほとんど無名のレーゼルだったが、2005年にはドレスデン音楽祭で紀尾井シンフォニエッタ東京との共演によりベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲を演奏した。この縁がもととなり2007年4月に日本では30年振りとなるコンサートを紀尾井ホールで開催した。さらに2008年10月からはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲を同ホールにて4年にわたり演奏するプロジェクトが進行された。ETERNA音源のCD化も進んだようでレーゼルをCDで知る人も多くなった。レーゼルのブラームスはETERNAの中でも特別な録音シリーズといえる。チャイコフスキー国際コンクールにドイツ人として初めての入賞を果たしたことは知られていない。
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