商品コード:1268-048b[COLUMBIA] ハンガリーQt. / シューベルト:SQ15番Op.161
商品コード: 1268-048b
商品詳細:最後の15番の録音は意外と少ない。少し厳しさを見せるこの時期のハンガリーQt.が、シューベルトの曲調に良く合っていて、1826年、シューベルトが亡くなる2年前の最晩年の作品の心象風景が写し出されているような気がする。初演は1850年。死後22年を経てウィーンにて行われた。生前に殆ど評価されることのなかったシューベルトの苦悩が込められた作品。やわな演奏では、その内部に踏み込んでいけない。模範的演奏の一つと思う。ハンガリーQt.はブダペスト・アカデミーで、ゾルタン・コダーイやイェネー・フバイに学んでいたメンバーであるシャーンドル・ヴェーグらによって、1934年に設立された団体。1935年にはデビューしている。ヴェーグは1940年にヴェーグ四重奏団を設立するために退団しているのでLP録音にはシャーンドル・ヴェーグが参加した録音は存在しない。1950年代のモノラル録音からは第1ヴァイオリン:ゾルターン・セーケイ、第2ヴァイオリン:アレキサンドレ・モシュコフスキ-、ヴィオラ:デネーシュ・コロムサイ、チェロ:ビルモシュ・パロタイの4人で行った物が多い。1956年にチェロがガブリエル・マジャールに交代するので曲によりチェロが2パターンあるが基本はこの4人である。この録音は1958年頃と思われ、チェロはガブリエル・マジャールである。いずれにしてもベートーヴェンの初回録音で見せた様な虚飾を排した率直で一途なスタイルである。この曲もベートーヴェンに準じたスタイル。一直線に曲への沈潜を見せストレートだが妥協なき深みのある表現。個人の名人芸も見せつつ、4人均質型の原型のような極めて緻密なアンサンブルである。強弱を巧みに使い曖昧な表情がない。1960年代中期頃からVOXへ移籍しメンバーも一部変わりステレオ期に入るとスタイルは大きく変わることになる。やや強い印象を受けるがモノラル期の充実した内声部が楽しめる録音の一つである。
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