商品コード:1272-038p[Pathé] J.ホーレンシュタイン指揮フランス国立放送o.cho. R.ブトリー, M.メルシエ(pf) / ストラヴィンスキー:詩編交響曲, R.シュトラウス:メタモルフォーゼン
商品コード: 1272-038p
商品詳細:何故この録音がVOXではなくPathéから出ているかという理由は、この録音はパリ・シャンゼリゼ劇場で録音され、オケはシャンゼリゼ劇場を拠点とするフランス国立放送o.が演奏しているからである。従ってVOXとは関係のない録音で、米国ではAngel Records~発売されている。1954年録音でホーレンシュタイン自身はVOXと契約中なのだが、この録音は特別に許可されたものだろうか?ホーレンシュタインは同じ1954年に、「ティル・オイレンシュピーゲル」/「ドン・ファン」/「死と変容」をバンベルクso.と録音している。どちらが先の録音かは不明だが同じ年に別のレーベルにR.シュトラウスを録音している事実は見逃せない。R.シュトラウスの音楽を遊び半分の名人芸と評してきたフルトヴェングラーは「メタモルフォーゼン」と「4つの最後の歌」の二つを傑作と評価したという。「メタモルフォーゼン」は変容と邦訳され、1945年の第二次世界大戦最終期、ドイツが敗れる直前に作曲された、シュトラウス81歳の時の作品である。23の弦楽器のための楽曲、弦楽合奏曲に属すが、標題にもあるようにあくまでも「独奏弦楽器のため」のものであり、伝統的な弦楽合奏とは本質的に異なった、それぞれの楽器を独奏風に動かしている点に特徴がある。編成はヴァイオリン10名、ヴィオラ5名、チェロ5名、コントラバス3名の合計23名の弦楽器奏者で演奏されるが、通常の弦5部ではなく、各奏者が独立した23のパートを演奏するよう23段のスコアに書かれた、いわば弦楽二十三重奏曲となっている。その書法は緻密を極めている。フルトヴェングラーはそこに言及したのだろう。研究家クラウゼによれば、大戦によって、ドイツの文化財や都市、建築、劇場などの「取り返しのつかない消失についての嘆き」を表すために作曲されたもので、戦争に対する抵抗の音楽となっている。この曲がドイツの死を悼む音楽であることが明かされるという。哲学的な内容を含むものの高度な書法で、「習作」というより、過去を追想することによる救済、ある種の肯定性を有するものともなっている--。これは「メタモルフォーゼン」を語る上で歴史的な傑作録音であることは間違いないだろう。片面のストラヴィンスキー:合唱付きの交響曲「詩編交響曲」にもホーレンシュタインが求めた美学が詰まっている。
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