商品コード:1275-049[PHILIPS] G.スゼー(br) D.ボールドウィン(pf) / デュパルク:歌曲集 全12曲
商品コード: 1275-049
商品詳細:スゼーのPHILIPS録音。デュパルクという題材は、男性歌手のリリカルな男性歌手のとっておきの作品のような気がする。ドイツ・リート好きには、ピンとこない方が多いかも知れないが、デュパルクの作品ほど上手い歌手が歌うと映える曲もない。モラーヌのPHILIPS録音を思い出す。スゼーもモラーヌと同等という訳にはいかないものの、かなりの好演。音質も良く、しんみりと聴くのに最高。歌もピアノの音も文句なく素晴らしい。デュパルクはDECCA時代と数曲重複する。ジェラール・スゼー( 1918– 2004)はフランス・アンジェの生まれ。カミーユ・モラーヌ( 1911 - 2010)と7歳違いだが、モノラル期で引退したモラーヌと異なり、スゼーは長い録音歴を持つ。重鎮ピエール・ベルナック(1899 - 1979)より一世代後のバリトン歌手である。フランス語での、より正確な読み方はジェラール・スゼだが、これまでの慣習に従ってスゼーで統一する。パリ音楽院でクレール・クロワザとジャン=エミール・ヴァンニ=マルクーに師事する。テノールとして歌手活動を始めるが、1943年に著名なオペラ歌手アンリ・エシュヴェリーの助言を容れて、バリトンに転向した。1945年より公的な演奏会に出演を始める。1954年以降は新たにアメリカ人ピアニストのダルトン・ボールドウィンを迎え、生涯にわたる協力関係を築いた。1960年以降はほとんどオペラに出演せず、代わりにリサイタルで活動を続け、1980年代後半に引退した。1944年のSP録音に始まり1950年代初めにDECCAと契約を結ぶ。その後はPHILIPSやEMIとも契約している。スゼーの録音のディスコグラフィは約750点にものぼる。フォーレやプーランクの歌曲全集の録音にも参加した。栄えあるディスク・グランプリ(Grand Prix du Disque)には3度選ばれており、そのうちの1つがラヴェル歌曲集であった。スゼーはドイツ・リートも歌うが、やはりフランス歌曲が白眉といえる。ドイツ最大のバリトンであるディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとは声質、レパートリーなどがまるで異なる。スゼーが亡くなった時、英国紙「デイリー・テレグラフ」は、最も偉大なリリック・バリトンという称号をディートリヒ・フィッシャー=ディースカウと争えるのは、同世代ではスゼーだと述べている。リリックバリトンは、バリトンの中では最も軽めの性質を持ったバリトンディースカウはリリック・バリトンとされるが違和感を持つ方は多いだろう。不思議なことにフランス人バリトンはみな甘い声質である。ドイツでは甘い声質のバリトンはヘルマン・プライくらいだろう。それでもスゼーと比較出来ないほど違いがある。スゼーはこの美声を1970年頃まで保ち、多くの録音を残した。DECCA時代のジャクリーヌ・ボノーとのモノラルも素晴らしいが、1960年代のPHILIPS録音もなかなかである。本人は古い録音を否定し、ラジオなどで流されないように専心したらしいが、世界中の多くのファンは真実を知っている。デュパルクはDECCAに次ぐ2度目の録音だが、まだ若々しく甘い声が出ている録音である。男声不振の日本でもスゼーは特別という雰囲気は感じる。1971年にも・ボールドウィンと再録音をしている。
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