商品コード:1283-048pb[RCA] C.ミュンシュ指揮ボストンso./ニューイングランド音楽院cho. R.ショウ合唱指揮 / ラヴェル:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」(全曲)
商品コード: 1283-048pb
商品詳細:米録音だが仏プレスで、欧州らしさは出ている。特に、仏LIVING STEREOは、このレーベルの特徴でもあり、弱点でもある。わざとらしいステレオ効果が、自然な形で修正されていて、快いステレオになっている。左右に大きく広げるより、左右はほどほどに、但し前後の立体感を出している。アメリカのオケといえど、ミュンシュが振れば、こういう音を出してくれるのである。モノラルのアンゲルブレシュトやロザンタールはもちろん完璧だが、ステレオのこれも捨てがたい。1955年という古い録音だが米RCAはいち早くステレオ録音を導入していて、この録音が世界で最初のモノラル/ステレオ録音となった。また恐らく全米で最初の合唱入り完全版の録音であったと思われる。ボストン交響楽団は1949 - 1962年の間シャルル・ミュンシュを音楽監督に迎えた事で全米でも特にフランス作品に強いオケとなる。ミュンシュはフランス音楽の名手であり、多くの名盤を残した。その中でもベルリオーズの「幻想交響曲」やドビュッシーの交響詩「海」、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」、ラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」は多くの人々から支持される演奏として今日でも名演としての地位を揺るぎないものとしている。当時のボストン交響楽団の演奏技術はモントゥー、ミュンシュに鍛えられただけあり、ある意味パリ院学院o.より精度の高い緻密な演奏が出来るレベルにまで達している。後は指揮者次第というところで、流石のミュンシュによる指揮は硬派なクリュイタンスと言える精度の高さを誇る。しいて言えば、フレンチ感性が楽団員にはない為、ラテン気質に欠ける点だけである。米国人にフレンチ感性を求めても無理があるので、ここまで整っていれば申し分ないレベルではないだろうか? フランス以外の国で録音された中ではトップクラスと言って間違いないだろう。しかし「ダフニスとクロエ」という曲自体がフレンチ感性の塊のような曲だけに、その点が引っかかる方は、クリュイタンス盤一択しかないだろう。クリュイタンス盤もよく聴いてみると、オケの統一感や整然さは完璧ではない。しかし「フレンチ感性」がそれを見えなくしている。クリュイタンス盤の対極として、理路整然ととしたミュンシュ盤の比較は面白いだろう。
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