[La Voix De Son Maître] W.ランドフスカ(cemb) / バッハ:平均律クラヴィア曲集第1巻B.846 - 869(全24曲)
商品コード: 1290-012
商品詳細:フランスでランドフスカのSP音源はCOLHシリーズより以前に、ゴルトベルク変奏曲(FALP 137)、リサイタル(FALP 218)とこの平均律第1巻の3点が1950年代にLa Voix De Son MaîtreからFALP---で復刻されていた。FALPの音質は、'50年代モノラル録音と同等の音質で、はっきりSP復刻と判別がつくCOLHとは別次元の音の良さがある。但し、第巻のみ発売で(全巻は同時期RCA)、シングルジャケ3枚のバラと、バラが更に箱に入る豪華な装丁と2種ある。但し古いプレスの為、状態の良い盤質は過去に無い。彼女の音色には高貴な香りがあり、開拓者としての業績はもちろん、芸術としても第一級。音質は全てのプレスを通してこのFALPが最良であるが第1巻しか発売されなかった。フランスでは第2巻はRCAのみの発売となった。今となってはモダンチェンバロは分が良くないが、モダンチェンバロの時代があって初めて古楽器ブームが始まったという歴史的背景を忘れてはいけない。彼女が愛用したチェンバロは「ランドフスカモデル」と呼ばれ、パリのピアノ・メーカーであるプレイエル社に特注した楽器である。基本的にコンサートグランドピアノの枠にチェンバロの機構を組み込んだモダンチェンバロの中でも最初期のタイプ。ランドフスカのバッハはロマンチックである。そのロマンチックな演奏を可能にしたのが「ランドフスカ・モデル」だったわけである。ランドフスカのロマンティシズムはチェンバロではなく、ピアノで継承され今日に至る。一方、チェンバロによるバッハ演奏は古楽器が主役となり、ロマンティシズムとは正反対の方向へと向かった。どちらも源流はランドフスカといえるような気がする。今となっては二つの流儀の分岐点となった芸術が「ランドフスカ・モデル」によるバッハ演奏ではなかったか?確実なのはランドフスカ・スタイルは彼女一代限りで終了したという事実である。
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