商品コード:1292-012b[La Voix De Son Maître] Y.メニューイン(vn) / バッハ:無伴奏Vnソナタ, パルティータ(全6曲)
商品コード: 1292-012b
商品詳細:メニューインはHMV系にバッハ無伴奏全曲を全部で3回録音していたようだ。これはモノ(1957年ALP 1512/1531-2)ではなく3回目(1976年)と思われる。一応ステレオ録音のようだが、あまりステレオ感は強くない。ただし演奏はモノ録音よりクリアーで新鮮。まだまだ気力が充実しており、情緒性の勝る初回よりノーブルと言える。一時、命を削るような演奏こそが無伴奏とされた時期もあるが、彼は最初から瞑想的な演奏をしていて、その基本スタンスはここでも変わりない。メニューインの全曲録音は3回で以下のように変遷。1934年5月~1936年2月 SP→1956年9月&1957年5月HMVのALPにバラ3枚→1973年3月~1975年7月VSM:2C 167-02710-2で1976年発売。ソナタ1番のみ1951年10月の日本録音があるらしい。他ソナタ3番+パルティータ3番が1956年ハンガリー録音がある。技巧的には若い時より切れ味がなくなっている。重苦しいところもあって決して素晴らしい録音とは言えない。しかし1930年代より神童として、20歳前後にSP録音で既に全曲録音してから長年世界の第一線で活躍してきたヴァイオリン奏者が60歳を目前として最後になるであろう全曲録音に挑戦をしたことが重要だろう。自分でも思うような演奏が難しくなっていることは承知の上での決断である。若い時期にはあり得ない年長者、大ベテランだけが悟ったバッハ演奏の何かが確かにここに刻まれている。この3回目全集録音はあまり知られていない。というより何所にも正しい録音年の記載がないばかりか1956-7年録音という間違った表記がされてる(フランス盤のリブレット)。これには3回目の新録音であることを隠したい意図があったのではと勘ぐってしまう。大いに謎が残る録音である。
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