商品コード:1295-009p[La Voix De Son Maître] G.ピアティゴルスキー(vc) ソロモン・カットナー(pf) / ベートーヴェン:Vcソナタ全集・1~5番
商品コード: 1295-009p
商品詳細:チェロ奏者、グレゴール・ピアティゴルスキー( 1903 - 1976)はウクライナのエカチェリノスラフ(現ドニプロペトロウシク)の生まれ。奨学金を得てモスクワ音楽院に入学する。地方のカフェで演奏しながら、収入を実家に送った。ロシア革命が勃発した後、レーニン四重奏団で演奏を始め、15歳でボリショイ劇場の首席チェリストに採用される。18歳で短期間ベルリンやライプツィヒで学んだ後、ロシア系のカフェのアンサンブルで演奏を始める。カフェの贔屓の常連にヴィルヘルム・フルトヴェングラーがおり、その骨折りのお蔭でベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席チェロ奏者を務めることができた。1929年に初めて訪米し、レオポルド・ストコフスキー指揮のフィラデルフィア管弦楽団や、ウィレム・メンゲルベルク指揮のニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団と共演した。1937年にはエドゥアール・ド・ロチルドの娘ジャクリーヌ(1911 - 2012)と結婚した。ピアティゴルスキーはアメリカ合衆国が気に入り、1942年にアメリカ合衆国市民権を取得している。1941年から1949年まで、フィラデルフィア・カーティス音楽院チェロ科の主任教授を勤めた後、タングルウッド音楽センターやボストン大学、南カリフォルニア大学でも教鞭を執った。晩年はカリフォルニア州で暮らし、死後はロサンジェルスのウエストウッド・メモリアルパークに埋葬された。当初より米国RCAと契約し、ソリストとしてまたアルトゥール・ルービンシュタインやウィリアム・プリムローズと室内楽曲を録音し、個人的にウラジミール・ホロヴィッツやナタン・ミルシテインとも室内楽演奏を楽しんだ。ハイフェッツとも室内楽を録音している。愛器はストラディヴァリウスで、2台を所有していた。エマーヌエル・フォイアーマンの死後は、ピアノのアルトゥール・ルービンシュタイン、ヴァイオリンのヤッシャ・ハイフェッツとともに、「百万ドル・トリオ」と呼ばれた。これらのベートーヴェン:Vcソナタ全集録音は1954年頃英国で行われた。英国では1957年頃ALPの連番のバラ3枚で発売された。ベートヴェンのVcソナタの録音は多いが、このコンビの演奏は独特だ。ピアティゴルスキーは、あえて強い音を出しすぎないようナイーヴにセーブしているような気さえする。ピアノのカットナーが非常にいい味を出していて、ピアノ・パートだけでもずっと聴いていたくなる程である。本来の意味でのソナタとしての両者のぶつかり合いの妙味も楽しめる。ベートーヴェン:Vcソナタ全集は数多くあるが、この録音ほど入荷の少ない、知られていないLPもないだろう。ピアティゴルスキーのチェロは欧州人らしく控え目な表情ながら深みを湛え、滋味にあふれた音を奏でる。米国系奏者のイメージが強い奏者だが、英国録音の為かRCAにみられるような商業主義的なスタイルが全く感じられない。高い芸術性に裏打ちされた演奏である。またベートーヴェン弾きで知られるソロモン・カットナーによるピアノ伴奏がそのような印象を強くする要因だろう。
ピアティゴルスキーの在庫一覧へ