商品コード:1296-035[DECCA] V.アシュケナージ(pf) L.マゼール指揮ロンドンpo. / スクリャービン:Pf協奏曲Op.20, 交響曲第5番「プロメテウス」Op.60
商品コード: 1296-035
商品詳細:A面の交響曲第5番「プロメテウス-火の詩」Op.60はタイトルこそ交響曲だがハープとオルガンを伴う大編成のオーケストラと、ヴォカリーズによる混声合唱およびピアノ独奏のために作曲されており、実質的には単一楽章によるピアノ協奏曲である。スクリャービンの最後の交響曲となる。レコードのタイトルには交響曲は付かず「プロメテウス-火の詩」となっている。交響曲と認知されないほど交響曲的形式を持っていない作品である。ここでは殆どピアノ協奏曲としての扱いになっている。人類に天界から火を授けた英雄として、音楽を通じてプロメテウスを崇め奉る作品となっている。無調で極めて不協和である。神秘和音を軸に作曲されているが、終止和音はスクリャービン好みの、嬰ヘ長調の主和音によっている。自由に変形したソナタ形式によって構成されている。初演では、スクリャービンのために開発され、様々な色彩とその組み合わせの照明を鍵盤によって操作できる色光ピアノが使われる予定であったが、故障が起きて利用することができなかった。その後も演奏で色光ピアノが使われたことは滅多にない。この色光ピアノパートは楽譜の最上段に五線譜で記載されており、現在でもMIDI電子キーボードと照明装置を組み合わせることにより再現可能である。アルゲリッチがアバド指揮のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団と共演した収録では、雰囲気と情緒をかもし出すために、プロジェクタによって舞台上にさまざまな色光を投影したが、これがスクリャービンの意図を忠実に再現した演出といえるかどうかは問題がある。2006年2月にはウラディーミル・アシュケナージ指揮NHK交響楽団も同様の上演を行っている。以上これまでの交響曲の概念を覆した作品となっている。フランス語では「プロメテ--火の詩」Op.60となる。B面のピアノ協奏曲Op.20は1897年の初期作品で、唯一のピアノ協奏曲と付けた曲。初期の作品の為、オーケストレーションの弱さ、ピアノパートの超絶技巧などから演奏の機会は多くない。しかし初めて聴いても「プロメテウス-火の詩」よりはずっと親しめる曲である。「プロメテウス-火の詩」も実質ピアノ協奏曲なのでこのLPはスクリャービン:ピアノ協奏曲集といえる。録音はほぼロシア系ピアニストに限られるようである。作品としてはロマンティックで楽しめる曲である。2曲とも録音は少なく、そういう意味で貴重なLPといえる。マゼール/ロンドンpo.とアシュケナージは相性が良いらしく、完成度の高いLPといえる。
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