商品コード:1297-057[DGG] I.マルケヴィチ指揮ベルリンpo. / チャイコフスキー:交響曲6番Op.74「悲愴」
商品コード: 1297-057
商品詳細:イーゴリ・マルケヴィチ( 1912- 1983)はウクライナのキエフ(キーウ)生まれだがフランスに帰化した指揮者。バレエ・リュスの主宰、セルゲイ・ディアギレフと出会いが重要な点であり、彼の運命を決めた事実である。ロシア・バレエ団からの委嘱作品によって衝撃的なデビューを果たし、1950年代初頭よりLP録音に活躍した。時期的には英国EMI、フランス・パテ、DGG、PHILIPS、PHILIPS以降の5期に大きく分けられる。勿論英国EMI以前にも録音はあるが僅かである。それぞれのレーベルでメインに近い指揮者としてそれぞれ多数の録音を行った。DGGへの録音は1953年から1965年にかけて行われ、他のレーベルとまたがっての録音が多い。決してDGGの専属という契約ではなかったようである。マルケヴィチはまるでカラヤンのように忙しく、あちこちの大手レーベルからお呼びが掛かっていたのは想像に難くない。その為特別に複数のレーベルにまたがって録音が可能な立場にあった数少ない指揮者といえる。そのDGG録音も2種に大別される。1953年~1956年のベルリンpo.とのモノラル録音。1957年~1961年に首席指揮者を務めていたコンセール・ラムルー管弦楽団とのパリ録音である。この悲愴は1953年12月のマルケヴィチによる「悲愴」の最初のモノラル録音。マルケヴィチには4種の「悲愴」がある。但しLPで発売されたのは最初の2種で1953年のベルリンフィル、2回目は1962年ロンドンso.(PHILIPSの全集録音)である。DGGには1回だけでコンセール・ラムルー管弦楽団とはチャイコフスキー自体の録音がない。1953年と言えば、まだフルトヴェングラーが居た時代である、フルトヴェングラーは1954年11月に亡くなった。亡くなるまで終身指揮者に地位にあった。1953年はまだ指揮台に立っていたはずである。そんな時期の客演である。古い録音だがくっきりと旋律を描いて高い緊張を孕みながらも抑えて第一主題から第二主題へと移っていく。当時としては極めて精緻にコントロールされた洗練されたスタイルである。フルトヴェングラーとは全く異なるアプローチだがこれはこれで良くできた演奏といえる。オケに淀みや曇りは感じられず、すっきりと室内楽的とも感じられるクリアーな演奏は1953年では革新的であったに違いない。ロマンを排し、静かに情感を抑えて尚感動を呼ぶ新スタイルにベルリンpo.は未来を感じたに違いない。今の耳でもロシア系爆演とは違うスタイルの「悲愴」の良さは十分理解できる。ベルリンフィルとは4/5番の録音はない。
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