商品コード:1297-042[COLUMBIA] L.マゼール指揮フィルハーモニアo. / ムソルグスキー:展覧会の絵(ラヴェル編オーケストラ版), ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
商品コード: 1297-042
商品詳細:ロリン・マゼールは3回「展覧会の絵」を録音している。1962年のフィルハーモニア管弦楽団、1971年のニューフィルハーモニア管弦楽団、1978年のクリーヴランド管弦楽団。これは初回の1962年録音のフランス盤である。アメリカ人の両親のもと、パリに生まれた才人マゼールは、8歳にして指揮者、ヴァイオリニストデビュー、11才にしてトスカニーニに認められNBC響を振り、翌年にはニューヨークフィルの指揮台に立ったという大変な神童。18才でピッツバーグ響のコンサートマスターとなり、以後、世界各地で指揮者として活躍。ベルリン放送響(1964~1975)、クリーヴランド管(1972~1982)、ピッツバーグ響(1988~1996)の音楽監督のかたわらベルリン・ドイツオペラやウィーン国立歌劇場の総監督も歴任。ベルリンフィルの音楽監督をアバドに奪われたが、2002年秋からはニューヨークフィルの音楽監督に就任した。マゼールの初期録音といえばDECCAのシベリウスやチャイコフスキーの交響曲の全曲録音が思い出されるが、DECCA以前には1957年頃からDGGやEMIに録音があった。演奏は英国録音が理由か意外な程大人しく、品よく纏まっている。フィルハーモニア管弦楽団を駆け出しの指揮者が振るとこうなるお手本のような演奏だろう。誰が指揮者でもフィルハーモニアo.にはこういった特質がある。フィルハーモニアo.でこれを更に攻撃的に持ってゆくには指揮者としての経験と力量が求められそうである。安定したテンポと展開に手に汗握る演奏ではないが、英国らしい端正な演奏となった。これはこれで悪くないだろう。その後の1971年や1978年の再録音と比べれば、十分に濃密な演奏といえる。特に管楽器がよく冴えてロシア色が感じられる。マゼールの父は、ロシアの音楽家の家系で、曽祖父はロシア皇室の軍楽隊長、祖父はモスクワ帝室歌劇場のコンサートマスターだったらしい。若い時期からロシア作品を積極的に取り上げた理由はそこにあるようだ。この録音時マゼールはまだ32歳。クレンペラーのような訳にはいかない。それでも破綻なく、フィルハーモニア管弦楽団をコントロールして、しっかりした演奏に仕上げた腕は、既にベルリンpo.で多くの録音を行った経験が生きたようである。
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