商品コード:1299-061p[DECCA] C.シューリヒト指揮ウィーンpo. / メンデルスゾーン:序曲集
商品コード: 1299-061p
商品詳細:1954年モノラルのみ発売のシューリヒトの珍しい一枚。メンデルスゾーンの序曲ばかり4曲集めたもの。ウィーンpo.を振る。1曲目は最も有名な「フィンガルの洞窟」序曲。メンデルスゾーンの場合、この序曲というのは、独立した管弦楽曲として存在している(全6曲)。オペラの一部ではない。その為、序曲集として録音されることがある。ここでも、シューリヒトは独自のリズミカルなテンポ運び、歯切れのよい音節等、シューリヒト節を展開。DECCAのシャープな音と混じり合い、強いエネルギーを発散する。カール・シューリヒト(1880~1967)は偉大な指揮者としてDECCAに迎えられたが、在籍は1949年~1956年までの僅か5年間であった。完全主義者でわがままなシューリヒトに対してしびれを切らしたDECCAの首脳人が放逐したらしい。その後VSMに移籍するがそこでもトラブルを頻発して1960年を迎える以前についにコンサートホール系レーベルという墓場に追放されてしまうのである。しかしシューリヒトの凄いところはコンサートホールでの二流のオケと一流の録音を多数作り上げ、コンサートホールのイメージアップに大きく貢献するのである。彼のその拘りがあればこそ、このような細部まで練り上げられた名演が生まれるのである。世の中は思うようにいかないものだと諦める前に、首を切られても自身のポリシーを貫き大きな遺産を残したカール・シューリヒトという指揮者を思い出すべきだろう。結局、ショルティのようにある程度イエスマンを貫いた指揮者は晩年大成したが、既に完成していたシューリヒトのような指揮者はレコード会社にとって諸刃の剣である。どうコントロールするかが鍵となる。DECCAの場合ジョン・カルショウという若手が就任した事で、多くの大物が移籍したが、それでもDECCAはトップレーベルとして世界に君臨した。その遺産は計り知れない規模である。少ないながら全盛期のシューリヒトの録音が聴ける事を良しとすべきだろう。
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