商品コード:1299-010[PHILIPS] K.エンゲル(pf) / バッハ:平均律クラヴィア曲集第1巻~(13曲)
商品コード: 1299-010
商品詳細:ほとんど存在すら知られていないK.エンゲルの平均律。全曲録音は無く、この1枚だけ。1950年代の発売。入荷の少ないレア盤。エンゲルは1923年スイス・バーゼル近郊で生まれ、パリ音楽院でコルトーに学んだ。1952年エリザベート王妃コンクールで2位。彼のバッハ録音はこれのみ。この時代としては歯切れの良いクリアーなタッチで、テンポも一定に保つ。テューレック等のような濃厚な味わいは無いが、軽妙で速いパッセージはより速い。飽きのこないスタイル。カール・エンゲル( 1923 - 2006)はスイス・ビルスフェルデンの生まれ。悲しいかなカール・エンゲルは日本で名前程度が知られるだけで、全く正当な評価を受けていないピアニストだろう。1942年から1945年までベルン音楽院でパウル・バウムガルトナーに師事。その後パリに行き、1947年から翌年までエコールノルマル音楽院でアルフレッド・コルトーの指導を受けた。1946年には既に演奏活動を開始している。1951年にはフェルッチョ・ブゾーニ国際ピアノ・コンクールで3位、1952年にはエリザベート王妃国際音楽コンクールで2位入賞。1958年から1986年までハノーファー音楽演劇大学で教鞭を執り、63歳で退任するまでその職責を全うした。1989年から世界各地でマスター・クラスを開いた。実力もあり、モノラル期からEMI系レーベルにも録音があるピアニストなのである。1970年代にTELEFUNKEN/VALOISにレオポルト・ハーガー/モーツァルテウムo.とのモーツァルト:Pf協奏曲全集を録音し、それは国際的に高く評価を得ている。しかし室内楽奏者として、またヘルマン・プライ、フィッシャー=ディースカウらの伴奏ピアノを務めていたこともあり、伴奏ピアニストとして見られてしまった感があるかも知れない。その為かバッハの平均律を録音しているのに、これは全く知られていない1枚となっている。平均律クラヴィア曲集第1巻~13曲だけを抜粋し1枚に収めた選集1枚物である。前奏曲とフーガ第1番はエドウィン・フィッシャーのように速いテンポで弾いている。エンゲルはこの曲を濃密に情緒的に弾くことに興味はなかったようで、タイトルの通り練習曲としてのアプローチを崩していない。練習曲を練習曲として13曲弾いている。その為、調性の違いには敏感であり、曲ごとの特徴をしっかり掴んで、教授のごとく平均律クラヴィア曲集のあるべき姿を表現している。これが平均律クラヴィア曲集の正しい姿である。--と言わんばかりである。
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