商品コード:1302-027[COLUMBIA] O.クレンペラー指揮フィルハーモニアo. / チャイコフスキー:交響曲6番Op.74「悲愴」
商品コード: 1302-027
商品詳細:クレンペラーの録音の中では比較的珍しいチャイコフスキー。英SAXは今でも人気が高く高額。英プレスの33CXとSAXでは大きな違いがあるが、仏プレスの場合どちらもパテ・プレスなのでFCXはステレオにない力のある音の良い盤。SAXFとは発想が異なる良さがある。クレンペラーの大袈裟な表現がフィットして効力を生むチャイコフスキー。ベートーヴェンでは「?」だった人もチャイコフスキーには納得されるだろう。FCXの落ち着いた表情はなかなか良い。6番は一番早い1961年録音。クレンペラーにチャイコフスキーはイメージ的に結びつきが弱いのではないだろうか? 実際クレンペラーは別にチャイコフスキーが嫌いだったわけでもなく、演奏も結構行っている。1935年の「ニューヨーク・タイムズ」のインタビューでは以下のように語っている。---私がチャイコフスキーを演奏するのは、それが良い音楽だからです。しかし、チャイコフスキーは指揮者のやりたい放題の犠牲になってきました。次第に彼の作品の演奏は、誇張されヒステリックな、全く間違った感情をもたらすものとなり、ついにこの音楽を悪趣味の象徴とするまでになってしまいました。しかし資料にあたって、彼の生涯と実際の楽譜を調べてみれば、彼は自分の心に素直に忠実に書いた真正の作曲家であることが分かるのです。つまり、悪趣味は彼の音楽の中ではなく、それを演奏する人間の中にあるのです。---。クレンペラーはそれまでのチャイコフスキー演奏に苦言を持っていたようで、いらぬ意図が入リすぎている--と言っているのである。したがってこの録音はクレンペラーの意思を忠実に反映した演奏になっている。ドラマチックな演出はここには多くない。この演奏に爆演を期待しても、出て来ないのである。しかしクレンペラーらしいは迫力はタップリ用意されている。違うのはスラブ的センチメンタリズムや不自然な誇張がないという点である。しかしいつのも重力級のオケが吠える爽快な演奏であることは確かである。オケは大音響で鳴り響くが情感を極力避けた演奏といえる。これこそがクレンペラーらしさであり、他の指揮者が真似のできないスタイルではないだろうか?ステレオが人気だがフランスFCXは圧巻のモノラル・サウンドでモノラル・オーディオファイルプレスとした。4~6番の3曲録音がある。6番は4/5番とクレンペラー自身のスタンスは基本同じだが、迫力の度合いは4/5番以上に凄まじく、遅いテンポと相まって悪魔的な世界感が出ている。フランス盤はモノラル/ステレオとも非常に希少!
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