商品詳細：C.マッケラスといえば、とりわけヤナーチェク作品における見識の高さで一線を画す存在として知られるが、彼はヘンデル研究でも若い頃から熱心な取り組みを重ねており、34歳で収録した「王宮の花火の音楽」ではオリジナル版を基にした管楽器の大編成版での演奏に取り組むなど、様々な角度から作品理解を深めることに惜しみのない指揮者でもある。本録音は英国のウェスト・ヨークシャー州リーズで1858年～1985年まで定期開催されていたリーズ音楽祭'72年の録音。オラトリオ「サウル」は、普段速筆なヘンデルにしては珍しく、随分この作曲に苦戦したようだが、編成に、当時イギリスには存在しなかったカリヨンや、ロンドン塔から借りた特大のケトルドラムを取り入れる等、多角的に新たな試みを注ぎ込んだ意欲作だ。台本は「メサイア」と同じCジェネンズによるが、歌手陣のふくよかな美声が、カリヨンの醸し出す夢幻的な響きと相まって、全く新鮮な印象で聴くことの出来る作品だ(KT)。

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