商品コード:1308-058p[DECCA] F.グルダ(pf) A.ボールト指揮ロンドンpo. / ショパン(バラキレフ版):Pf協奏曲1番Op.11
商品コード: 1308-058p
商品詳細:1954年2月のロンドン録音。指揮はボールトでこれは予想外の組み合わせ。同じレーベルの音楽家なら十分あり得る事だが、イメージが合わなさすぎる。しかし聴いてみると案外良い感じで仕上がっている。ボールト/ロンドンpo.のDECCA録音はおおむねパワーがあり、不満に感じたことはない。オケに元気がある方がグルダはやりやすいだろう。今回はグルダもボールトの挑戦を受けて立つぞという態度で出だしから自分のスタイル全開で始まった。2人にはショパンのサロン風味など関係なしとばかりに、これが協奏曲だ!といわんばかり、思い残しがないよう本来の腕を見せ合っている。EMIのボールトしか知らない方にはDECCAのボールトは別人だろう。なかなか乗りの良い指揮者で、本当に英国人かと思うような強い音を出しパンチを繰り出すような指揮者である。抒情的なショパンを聴きたい方には全く向かない演奏。予想外の組み合わせが良い結果を生んだようである。生きる世界が違い過ぎて、遠慮する必然性がないのだろう。尚この曲はピアノ独奏部に対してオーケストラの部分が貧弱であるとの指摘がある。オケパートを補強することは1950年代から行われていて、ミリイ・バラキレフなどが自作の管弦楽編曲を残している。ここではそのバラキレフ版が使用される。その為か、多少のやりすぎ感があるほど力のあるオケパートとなっている。この曲の自筆譜はほとんど現存しておらず、ヤン・エキエルによるナショナル・エディションによれば、第2番同様に現在の楽譜は他人によりオーケストレーションされた可能性が高い。ナショナル・エディション自体がショパンが本来意図したであろうオーケストレーションを復元した「コンサート・バージョン」と、従来の楽譜を校訂した「ヒストリカル・バージョン」を刊行している。つまりオケパートには正解は元々無いのである。よってグルダvsボールトのようなスリリングな演奏もまたありという事になる。ならば面白い方が良い。期待せずに聴いたが、DECCA録音の中では一際興味の尽きないグルダらしい面白味の強い録音である。個人的に大推薦!
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