商品コード:1309-002n[MELODIYA] N.グートマン(vc) A.ナセトキン(pf) / Vcソナタ集/バッハ, ドビュッシー, プロコフィエフ
商品コード: 1309-002n
商品詳細:バッハを含むチェロ・ソナタ集として1969年に発売されたLP。バッハはヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第2番のチェロ演奏である。チェロ奏者のナターリヤ・グートマン(1942-)は現、ロシア連邦・タタールスタン共和国の首都であるカザンの生まれ。「だったん人の踊り」で知られるだったん人とはタタール人のことである。グートマンは13歳のときモスクワ音楽院に進み、ガリーナ・コズルポワに入門する。卒業証書を得た後ムスティスラフ・ロストロポーヴィチの助手となり、またスヴャトスラフ・リヒテルの知遇を得て、大きな影響を受けるようになる。リヒテルの側もグートマンに影響され、彼女のことを根っからの音楽家と呼んでいた。1964年のチャイコフスキー・コンクールでは第3位に入り、ウィーン国際青少年音楽祭において金メダルを、1966年の国際ドヴォルザーク音楽祭では首位を射止めた。さらに1967年のドイツ公共放送連盟国際音楽コンクールにおいては、ピアノ伴奏のアレクセイ・ナセトキンと室内楽部門において金メダルを獲得している。1960年代後期から多くの西側の音楽家をの共演を重ね、国際的チェリストの地位を築いている。室内楽の分野では夫のオレグ・カガンやユーリ・バシュメト、アレクセイ・リュビモフ、アイザック・スターン、エリソ・ヴィルサラーゼ、エフゲニー・キーシンらと共演している。夫のオレグ・カガンは1990年、癌のため43歳で死去した。その後は後進の指導にも力を入れ、パリ・セルゲイ・ラフマニノフ音楽院のヴァイオリン科や、いくつかの音楽祭において、国際的なマスタークラスを主宰している。グートマンのスタイルは師であるロストロポーヴィチに似て、懐の深い暖色系の音色を持つ。バッハではゆったりしたテンポで淡々と時を刻むような演奏。強いて言えば保守的な傾向を持つ奏者のようである。ドビュッシーのようなフランス作品もバッハと同様の安定感のあるゆったりしたテンポと、静かな語り口であり、表情はいたって普通だが一音の深さ、豊かさで聴かせるタイプの奏者のようである。B面全て使ってプロコフィエフ:チェロ・ソナタを演奏。この曲がグートマンの最も当たり演奏だろう。前2曲と打って変わり、重低音やリズムを重視した展開でアグレッシヴな演奏を見せる。マイナーであったプロコフィエフ:チェロ・ソナタがここで俄然聴き応えのある曲に変貌する。グートマンの全身、全神経を集中したプロコフィエフは名演と呼ぶに相応しい内容である。
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